カナダ・トルドー首相が下院解散・総選挙へ、投開票は9月20日

(カナダ)

トロント発

2021年08月18日

カナダのメアリー・サイモン総督は8月15日、ジャスティン・トルドー首相との会談を経て第43回連邦下院解散要求を承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、第44回総選挙を公示した。

投開票日は9月20日で、選挙期間は連邦法上の期間として最低限の36日間に設定された。任期満了による選挙は2023年10月の予定だったが、前回総選挙の2019年10月21日から2年足らずの実施となることについて、トルドー首相は「ワクチン接種や人々への支援の継続など、新型コロナウイルスとの闘いを終わらせ、より良いものをつくりあげていく方法をカナダ国民は選ぶ必要がある」とコメントし、今後の政策について有権者へ信を問う必要があると説明した。

解散時の議席数は自由党155、保守党119、ケベック連合32、新民主党24、緑の党2、無所属5、欠員1。トルドー首相率いる自由党は少数与党のため、解散総選挙の実施により単独過半数を獲得する狙いがある。

カナダでは8月12日、連邦政府のテレサ・タム最高公衆衛生責任者が新型コロナウイルス感染拡大の第4波がきたとの認識を示したばかりで、野党各党は第4波の最中に選挙活動を行うことに懸念を示した。第1野党のエリン・オトゥール保守党党首は自身のフェイスブックで「自宅にとどまって検査を受け、ワクチンを接種した全てのカナダ国民の努力のおかげで、われわれはやっと愛する人や友人、家族に再び会うことができるところまできた。政治的なゲームや利益のために、それを危険にさらすべきではない」と批判した。また、これまで自由党に協力してきた新民主党のジャグミート・シン党首も「なぜこのような利己的な夏の選挙が行われるのか。トルドー首相が権力を握りたい、過半数を取りたいと思っているのは明らかだ。しかし、それは彼がより多くの人々を助けたいからではない」と語った(8月15日付CTVニュース)。

15日の選挙戦開始時点で当地メディアが取り上げている論点は、トルドー政権が8月13日に発表した全公務員や飛行機・列車の乗客へのワクチン接種義務付けに対する見解だ。オトゥール保守党党首は、ワクチン接種を支持すると同時に、マスク着用やワクチン接種をしたくない人への迅速な検査も支持すると述べ、「保守党は、カナダ人が自分で判断できるようにしたいと考えている。われわれは人々を強制するのではなく、教育しなければならない」と語った(「グローブ・アンド・メール」紙8月15日)。

自由党が前回選挙で獲得したのは338議席のうち157議席と過半数に届かず、少数政権を構成した。多数派政権を樹立するには170議席を獲得する必要がある。8月16日時点のCBCポール・トラッカーによる世論調査では、各党支持率は自由党35%、保守党29%、新民主党19%、ケベック連合7%、緑の党5%と自由党が優位に立っている。しかし、過半数確保の目安とされる40%に達していないため、少数与党から脱却できるかは不透明だ。

(飯田洋子)

(カナダ)

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