英米首脳会談で安保・気候など幅広く協議も、FTAには進展みられず

(英国、米国)

ロンドン発

2021年09月28日

国連総会出席のために訪米していた英国のボリス・ジョンソン首相は9月21日、米国のジョー・バイデン大統領と初のホワイトハウスでの首脳会談を行った。

英国政府は会談後に声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、安全保障、科学・技術、貿易、保健、気候変動への対応など、新大西洋憲章(2021年6月11日記事参照)に含まれる分野での両国関係の深化を歓迎した。また、9月15日に発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした英・米・オーストラリアの安全保障協力に関する新たな枠組み「AUKUS」について、世界の平和と安定を保つ上で、重要な役割を持つと強調。アフガニスタン問題について、人道的危機を防ぐためにあらゆる外交的・人道的手段をとるとしたほか、タリバンの国際承認については国際社会で協調し、タリバンが人権を尊重することを条件とすることで合意した(2021年8月25日記事参照)。

気候変動の分野では、ジョンソン首相は、バイデン大統領が同日、国連総会で米国が国際気候ファイナンスへの拠出額を倍増すると発表したことを歓迎。両首脳はそのほかにも、石炭使用の段階的廃止や開発途上国のグリーン成長支援など、G7サミットでの合意をG7諸国が履行していく必要があるとの見解で一致した。新型コロナウイルス関連では、国際的なワクチンへのアクセス拡大の必要性について合意。また、ジョンソン首相は、米国が11月以降、ワクチン接種を完了した英国民に対して入国制限を緩和すると発表したことを歓迎した。中国やロシアなどについても議論し、両国間が共有する価値に基づいて、対応を継続することで合意した。

英米FTAでは進捗みられず、北アイルランド問題には引き続き懸念

英米自由貿易協定(FTA)については進展がみられなかった。同FTAについては、2020年11月を最後に交渉が行われていない。今回の首脳会談に先立ち実施された記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでも、バイデン大統領は、同FTAについて「今日(会談で)少し議論をする予定」とするにとどまった。

一方で、バイデン大統領は記者会見の場で、英国とEUとの間で引き続き課題となっているアイルランド・北アイルランド議定書の運用について強い懸念を示し、アイルランド島内の(アイルランド・北アイルランド間の)国境の復活はみたくない旨をコメントした。会談後の英国政府の声明では、北アイルランドの平和の保護の重要性について両首脳で合意したとされた。

(山田恭之)

(英国、米国)

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