中国の自動車生産、車載半導体不足の影響広がる

(中国)

上海発

2021年09月09日

中国自動車工業協会(CAAM)が8月に発表した今後の自動車産業動向見通しの中で、「(中国)国外での新型コロナウイルス感染再拡大が車載半導体の供給不足を引き起こすリスクは依然として存在する」と指摘していたとおり(2021年8月13日記事参照)、海外の新型コロナ感染再拡大などを受け、中国では多くの自動車メーカーが半導体不足に直面している。

中国の現地メディアによれば、フォルクスワーゲンと第一汽車の合弁会社である一汽・大衆汽車は、ボッシュやコンチネンタルなど多国籍企業から部品を多く調達しており、車載半導体不足による大きな影響を受けているとした。乗用車市場情報連合会によると、2021年4~7月の各月の一汽・大衆汽車の生産台数は、それぞれ前年同月比40.7%、25.5%、60.8%、58.7%の減少となった(「第一財経」9月4日)。

ボッシュ(中国)投資の徐大全執行副総裁は8月17日、マレーシアでの新型コロナウイルスの感染拡大を受け、現地政府の要求により、同社サプライヤーの半導体製造工場で一部の生産ラインが8月21日まで停止されたため、8月も半導体の供給が途絶える、と述べた(「第一財経」8月18日)。

また、民族系自動車大手の吉利汽車集団の淦家閲CEO(最高経営責任者)は、2021年の中間業績発表会で、半導体不足を受け、一部の電気自動車(EV)の生産が中止となっていると述べたほか(「第一台車」9月2日)、新興EVメーカーの小鵬汽車の何小鵬CEOも、半導体不足はさらに厳しくなっているとコメントした(「第一財経」8月18日)。

半導体不足は6月以降、ホンダや日産など日系と中国系の合弁メーカーの生産にも影響が及んでいるとみられる(「第一財経」9月4日)。

(侯恩東)

(中国)

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