「中欧班列」1~8月の運行本数と貨物輸送量、既に前年の8割

(中国)

中国北アジア課

2021年09月07日

中国国家鉄路集団は9月2日、中国と欧州や「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」の運行状況を発表した。それによると、2021年1~8月の累計運行本数は前年同期比32%増の1万30本、貨物輸送量は同40%増の96万4,000TEU(20フィートコンテナ換算値)に達した。運行本数と貨物輸送量は既に前年の8割の水準に達している(2021年1月6日記事参照)。また、往路と復路を合わせた貨物搭載率は97.9%となった。2020年5月以降、月間運行本数は16カ月連続で1,000本を超えており、鉄路集団貨物運送部の責任者は「中国経済は安定を保ちながら良い方向に向かっているため、『中欧班列』の輸送需要も高止まりしている」とコメントした(「人民網」9月2日)。

「中欧班列」の輸送需要の高まりを受け、鉄路集団は国内外の関連機関などと協力体制を構築し、港や駅での貨物や通関の処理能力を高め、運営効率の引き上げに努めている。具体的には、沿線国の鉄道管理部門と時刻表の編集や輸送計画を協議し、越境輸送上の問題解決を図っている。また、新疆ウイグル自治区の阿拉山口や、内モンゴル自治区の二連浩特、満州里などの国境沿い主要駅の通関処理能力を拡張し、「中欧班列」の通過本数を増やした。2021年1~8月時点で、阿拉山口を経由する西ルートは前年同期比37%増の5,125本、二連浩特などを経由する中ルートは15%増の1,766本、満州里を経由する東ルートが35%増の3,139本となった。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、防疫物資の優先搭載と輸送などを実施した。鉄路集団によると、新型コロナウイルスが発生して以降、欧州国家向けに防疫物資1,280万件、9万9,000トンを輸送した。

(方越)

(中国)

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