国際貨物列車「中欧班列」の2020年の運行本数は過去最多の1万2,400本

(中国)

中国北アジア課

2021年01月06日

中国国家鉄路集団(以下、鉄路集団)は1月4日に開催した工作(業務)会議で、中国と欧州や「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」の運行状況を発表した。

鉄路集団によれば、2020年に運行した中欧班列は前年比50%増の1万2,400本、貨物輸送量は56%増の113万5,000TEU(20フィートコンテナ換算値)に達した。往路と復路を合わせた貨物搭載率は98.4%となった。なお、運行本数が1万本を超えたのは2020年が初めて。都市別では、成都と重慶から出発した中欧班列の本数が約5,000本で全体の4割を占めた(「瀟湘晨報」2021年1月1日)。

また、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年は欧州向け防疫関連物資の輸出が目立ち、イタリア、ドイツ、スペイン、チェコ、ロシアなど向けに約931万件(7万6,000トン相当)の防疫物資を輸出した(「央視新聞」1月5日)。

2020年に運行本数が急増した理由について、現地の研究機関である21世紀経済研究院の専門家は「新型コロナウイルスの影響で、航空・海上輸送の減少による輸送力不足が背景にある」と指摘する。専門家は「2020年第4四半期から航空・海上輸送が回復しており、2021年も中欧班列が今のマーケットを維持し続けられるかが今後の注目点となる」と指摘した(「21世紀経済報道」1月5日)。

(方越)

(中国)

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