中国、水素燃料電池自動車のモデル都市が発表に

(中国)

上海発

2021年09月01日

中国の北京市は8月24日、上海市は8月26日に、燃料電池自動車モデル都市群に選定されたとそれぞれ発表した。財政部など5部門は、2020年9月21日に「燃料電池自動車モデル都市申し込みに関する通知」を発表(2020年9月24日記事参照)し、2020年11月15日に申し込みが締め切られ、選定都市の発表が待たれていた(2021年5月17日付地域・分析レポート参照)。

北京市は、北京市の大興区、海淀区、昌平区など6区と天津市浜海新区、河北省保定市、河北省唐山市、山東省浜州市、山東省淄博市など12都市の連合による京津冀水素燃料電池自動車モデル都市群(注)を形成する計画としている。

上海市は、江蘇省蘇州市、江蘇省南通市、浙江省嘉興市、山東省淄博市、寧夏回族自治区寧東能源(エネルギー)化工基地、内モンゴル自治区オルドス市など「上海市+6都市」の連合で長江デルタ地域の産業サプライチェーンが連携し、中長距離走行と中・大型トラックの応用に焦点を当てた水素燃料電池自動車モデル都市群を形成するとしている。

水素をはじめ中国の新エネルギー産業動向に詳しい、インテグラルの中西豪総経理は、申し込み締め切りからモデル都市の発表まで時間を要した点について「それぞれのモデル都市群の役割分担などの整理、調整に時間かかったのではないか」と指摘する。また、「モデル都市群には、北京市や上海市など水素燃料電池の実用化に積極的に取り組んできた都市が選ばれているが、今後、各都市群の具体的なプロジェクトがどのように進められるのかが注目される」とも述べた。

また、北京市、上海市以外の都市、具体的には広東省や四川省、湖北省など水素燃料電池の実用化に取り組んでいる都市が、今後、モデル都市に追加されるのかという点についても関心が集まっている。

(注)京津冀は、北京市、天津市、河北省の総称。

(高橋大輔)

(中国)

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