米国のワクチン関連企業、韓国への投資を発表

(韓国、米国)

ソウル発

2021年09月29日

韓国の保健福祉部は、第76回国連総会に出席するため米国ニューヨークを訪問中の文在寅大統領が9月21日(現地時間)に開かれた「韓米ワクチン協力協約締結式」(以下、韓米ワクチン協力式)に出席したと発表した。

韓米ワクチン協力式には、韓国と米国の16のワクチン関連企業と研究機関の代表が参加し、特に、米国Cytivaは、韓国にワクチンの原材料および副材料の生産施設の建設のため、3年間で5,250万ドルの投資計画を含む投資申告書を産業通商資源部に提出した。このほか、複数の企業間協力覚書(MOU)が締結(注1)されるとともに、研究機関間でもMOUが締結された(注2)。

文大統領は、韓米ワクチン協力式において、米国Cytivaに対し、韓国への投資決定に歓迎の意を表し、米国の優れた開発能力と韓国の世界的な医薬品の生産能力によりワクチンの供給量が大幅に増えるだろうと述べた。

また、韓米ワクチン協力式と並行して開催された「韓米グローバルワクチン・ビジネスラウンドテーブル」には韓米両国から11社が参加した。韓国側は「K-グローバルワクチンハブ化ビジョン」(2021年8月10日記事参照)を通じ、今後5年間で2兆2,000億ウォン(約2,068億円、1ウォン=約0.094円)を投じる計画を発表し、世界的な感染症の拡大による危機を克服するために、政府と民間のあらゆるレベルで韓米ワクチン協力関係を強固にするべきだと強調した。

(注1)締結された企業間MOU:(1)韓国Eubiologicsによる米国Adjuvance Techへの原・副材料の輸出・技術移転、(2)韓国Eyegeneによる米国Trilinkからの原・副材料の購買、(3)韓国Quratisによる米国HDT Bioからの新型コロナワクチン生産受託、(4)韓国Pharmgenscience、米国IVY Pharmaおよび米国Access BioのmRNAワクチン共同技術開発。

(注2)締結された研究機関間MOU:(1)韓国科学研究院、米国スクリプス研究所およびロチェスター大学、(2)韓国生命工学研究院、米国ペンシルベニア大学、(3)韓国KPMC(Korea Mouse Phenotyping Center)、米国ジャクソン研究所。

(当間正明)

(韓国、米国)

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