第2四半期のGDP成長率、前年同期比12.4%

(ブラジル)

米州課

2021年09月16日

ブラジル地理統計院(IBGE)は9月1日、2021年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率を発表した。前年同期比で12.4%、前期比(季節調整済み)でマイナス0.1%だった。

前年同期比の伸びを産業別にみると、農畜産業が1.3%、工業が17.8%、サービス業が10.8%だった(添付資料表参照)。

農畜産業では、大豆(9.8%増)やコメ(4.1%増)が好調だった一方、コーヒー豆(21.0%減)、綿花・原綿(16.6%減)、トウモロコシ(11.3%減)などは減少した。

工業では、製造業(25.8%増)、建設(13.1%増)、電気・ガス・上下水道・都市清掃(6.7%増)が高成長を記録した。製造業は、主に自動車、その他輸送用機器、機械・設備などが成長したが、前年同期に大幅に落ち込んだ(マイナス20.9%)ことによる反動が主な要因だ。ブラジル自動車製造業者協会(ANFAVEA)によると、2021年第2四半期の自動車生産台数は55万600台と前年同期比3.8%増加したが、2020年第2四半期は前年同期比で30%以上も減少していた。電気・ガス・上下水道・都市清掃も、前年同期にマイナス5.5%と減退したことからの反動だ。新型コロナウイルス感染対策の影響で営業・操業の停止に追い込まれていた産業が再開し、それに伴って電気・ガスなどの使用量も復活した。

サービス業では、運輸・倉庫・郵便(25.3%増)、商業(20.9%増)などが高成長を記録したが、いずれも前年同期に大幅な落ち込みを見せたことからの反動だ。2020年第2四半期は、例えば、サンパウロ州ではサービス業の営業時間の制限や、ショッピングモールでの施設の収容人数制限など、特に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた分野だった。2021年3月15日から30日までは規制を最も強化した「緊急事態フェーズ」が敷かれたが(2021年3月15日記事参照)、2021年4月には「移行フェーズ」が適用されるなど、次第に規制が緩くなったことでサービス業の営業活動が増加し、今期のサービス業の増加につながったとみられる。

(高氏朋佳)

(ブラジル)

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