FTA原産地証明書の受け付け要件の緩和措置を2022年3月末まで延長

(タイ)

バンコク発

2021年09月30日

タイ税関は9月21日、税関通達(No.149/2564外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を出し、原産地証明書(C/O)の受け付け要件を緩和する措置を2022年3月31日まで延長した。対象となる措置は、輸入通関時にC/O原本の提示が困難な場合、写真コピーでの提出を認めるもの。

C/Oは原則として通関時に原本の提出が必要だが、輸出国側での新型コロナウイルスに伴う防疫措置により、C/Oの発給手続きに障害が発生し、通関時でのC/O原本提出が間に合わないといったケースが聞かれる。タイを含めて各国では、通関時にC/Oの写しなどの受け付けを認め、原本は後日提出することで、FTA適用を認める措置を取っている。

当初出された2020年4月16日の税関通達(No.81/2563)以来、同措置が延長されたのは4回目(2020年4月21日記事2021年1月8日記事2021年3月24日記事参照)。対象となるC/Oに変更はなく、フォームE(ASEAN中国)、フォームD〔AFTA、ATIGA、ASEANワイド自己証明制度(AWSC)スキームに基づくC/Oを含む〕、フォームAK(ASEAN韓国)、フォームAJ(日ASEAN)、フォームJTEPA(日タイ)、フォームAI(ASEANインド、デジタルC/Oを含む)、フォームFTA(タイ、インド、デジタルC/Oを含む)、フォームAANZ(ASEANオーストラリア、ニュージーランド)、フォームAHK(ASEAN香港)、フォームTC(タイ、チリ)、フォームTP(タイ、ペルー)。

利用方法は以下のとおりで、従前から変更はない。

  1. 本措置の利用の輸入通関申告書の注釈(Remarks)欄に、「Request to use a photocopied certificate of origin for now, and will submit the original certification of origin later」という文言を記載し、オンラインシステムを通じて税関担当官とのミーティングを依頼する(事前にC/Oコピーを利用することを連絡)。
  2. 貨物引き取り前に輸入通関申告書、税関に対して通達で定められた様式とC/Oのコピーを提出。
  3. 貨物引き取り日から30日以内に原産地証明書の原本を税関に提出する。新型コロナの影響で30日以内に提出が困難な場合は、提出締め切りの7日以上前までに延長申請を行うことで、追加で30日間の延長が可能(合計60日間の猶予がある)。当該期日内に原産地証明書を提出できない場合は、特恵関税の適用が無効となり、減免を受けた関税の納税義務が発生する。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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