税関、新型コロナウイルス対策で一部機械類の関税免除と原産地証明手続き簡素化を発表

(タイ)

バンコク発

2020年04月21日

タイ財務省は4月10日、新型コロナウイルス問題に関係する関税削減・免除に係る財務省通達(No.5/2020年)を発出した。通達はタイ経済の底上げを目的に、農業や土木工事用などの機械類146品目(添付資料参照)を新たに関税撤廃の対象に加えた。対象は新品の機械類、かつ輸入者が事業に直接使用するものに限られる(再販や家庭用の輸入は対象外)。当該免税措置は4月15日から12月31日までの時限措置となる。

この財務省通達を受け、タイ税関も4月14日、関税免除の基準と手続きに係る税関通達(No.79/2020年)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発出。手続き要件は以下のとおり。

  • 該当する製品それぞれに、輸入申告時の恩典コードとして「381」を入力すること。
  • 証明書類として、1.工業省証明書、操業通知受領書、工場ライセンス、タイ工業団地公社(IEAT)操業通知書などの中央政府発行書類、2.地方自治体発行の工場操業通知受領書、3.ホテル操業許可証、4.タイ中小企業事務局(OSMEP)の会員証、5.商務省事業開発局登記情報の書類の中で該当するものを提出すること。

全てのFTAの特定原産地証明書の写真提出が可能に

また、タイ税関は16日、一時的に原産地証明書の受け入れ要件を緩和する税関通達No.81/2020年PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を出し、同日から適用した。当該措置は、新型コロナウイルスの影響緩和のため、輸入通関時に原産地証明書の提示が困難な場合、写真コピーでの提出を認めるもの。タイ税関は3月3日、中国・ASEAN自由貿易協定(ACFTA)の原産地証明書(フォームE)のみ当該措置を認める通達を出していたが(2020年3月11日付記事参照)、今回の通達で当該通達は失効し、全ての原産地証明書で同様の措置を導入したかたちだ。4月16日から9月30日までの時限措置となり、事業者は以下の要件を満たす必要がある。

  • 輸入通関申告書の注釈(Remarks)欄に、「Request to use a photocopied certificate of origin for now, and will submit the original certification of origin later」という文言を記載。
  • 貨物引き取り前に、輸入通関申告書、税関に対して通達で定められた様式(上記通達4ページ目参照、タイ語)と原産地証明書の写真コピーを提出。
  • 貨物引き取り日から30日以内にオリジナルの原産地証明書を税関に提出すること。新型コロナウイルスの影響で30日以内に提出が困難な場合は、提出締め切りの7日以上前までに延長申請を行うことで、追加で30日間延長可能。当該期日内に原産地証明書を提出できない場合は特恵関税の適用が無効となり、減免を受けた関税の納税義務が発生する。

(蒲田亮平)

(タイ)

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