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レバノンで新内閣組閣、1年以上の政治空白が解消

(レバノン)

カイロ発

2021年09月14日

レバノンの国営通信(NNA:National News Agency)によると、ミシェル・アウン大統領と3度目の首相を務めることになったナジーブ・ミーカーティ新首相は9月10日、24人の新閣僚について合意した。2020年8月にベイルート港で起きた大規模な爆発事故の責任により、ハッサン・ディアブ前首相が同月に内閣を総辞職してから、これまで1年以上の政治空白が続いていた。

レバノンでは、キリスト教、イスラム教シーア派、イスラム教スンニ派など、各宗派の政党で閣僚ポストを分け合う慣習があるが、宗派間の争いなどもあり、約1年間で首相候補2人が組閣に失敗していた。今回の新閣僚には、各宗派からの推薦も多いが、実務家も含まれている。

主要な新閣僚は以下のとおり。

  • ナジーブ・ミーカーティ首相〔元首相(2005年および2011~2014年)、実業家〕
  • サイード・アル・シャミ副首相(元IMF職員)
  • ヨセフ・ハリル財務相(元中央銀行幹部)
  • アブダッラー・ハビブ外務相(元駐米国レバノン大使、元世界銀行アドバイザー)
  • フィラス・アビアド保健相(大学病院CEO)
  • アミン・サレム経済相〔弁護士(国際法・経済開発等専門)〕
  • ワーリド・ファイヤド水・エネルギー相(国際コンサルタント企業勤務)
  • アリ・ハミエ運輸・公共事業相(大学教授)

経済危機が深刻、国際的な支援がカギ

レバノンは、2020年3月に債務不履行となったところ(2020年3月18日記事参照)、新型コロナウイルス感染拡大やベイルート港の爆発が経済の悪化に拍車をかけた。世界銀行によると、2020年のレバノンの実質GDP成長率は前年比マイナス20.3%と大幅に経済が縮小し、2021年の成長率もマイナス9.5%と予測されている。

ユニセフによると、経済・財政危機により、77%の世帯が経済的困窮にあり、お金を借りないと食料を買えない世帯も多いという。現地通貨価値の暴落などを背景に、輸入品の価格などが上昇し、消費者物価上昇率も高騰している。また燃料、電力、水などの不足などが起こっており、生活インフラも深刻な状況にある。燃料については今月、エジプトからパイプラインで天然ガスを供給する計画に合意したが、パイプラインが老朽化しているほか、ヨルダン、シリアを通過することから、実現に向けての課題もある。

レバノンでは数十年にわたって、宗派間・党派間での対立による政治的な混乱が続いてきた。新内閣の下で大きな改革が断行されるかは不透明だが、今回の内閣成立によって、IMFや関係の強いフランス政府などとの金融支援の交渉の加速が期待される。

(井澤壌士)

(レバノン)

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