債務不履行のレバノン、コロナウイルス対策で非常事態宣言・主要空港閉鎖

(レバノン、エジプト)

カイロ発

2020年03月18日

3月7日、レバノンのハッサン・ディアブ首相は3月に償還期限を迎える12億ドルの外貨建て国債について、支払いを延期すると表明した。レバノンの公的債務は約900億ドルと推定され、うち約46億ドルの返済期限は2020年内だ。レバノンでは近年治安も悪化する中、2019年10月以降に反政府デモが頻発しており、2020年1月21日に「レバノン救済政府」として政治・経済改革のための新内閣を発足したところだった。レバノンで初の債務不履行に加えて、新型コロナウイルスの拡大防止のためレバノン政府が首都のベイルート空港の閉鎖を発表したため、国内ビジネスへの影響が懸念され、経済の先行きが不透明になっている。

レバノン国内の新型コロナウイルスの感染状況は、3月16日時点で99人(うち死者3人、回復者1人)にまで拡大している。ミシェル・アウン大統領は3月15日に公衆衛生上の非常事態を宣言し、公共機関や民間の多くの施設が閉鎖されるとともに、国民に対し必要な場合を除き自宅待機を要請した。ベイルート空港を3月18~29日まで閉鎖する予定のため、空港での混乱が予想される。閉鎖期間は今後の感染状況を見て変更になる可能性がある。

既に3月5日に水際対策として日本を含む感染拡大国からの非ヨルダン国籍の入国に関する制限を実施していた(2020年3月12日記事参照)。一方で、3月12日にいったん日本からの渡航に関する制限が外れるなど、これまでも都度状況に応じて変更は生じていた。状況は日々流動的なため、レバノンへの渡航やビジネスにおいては、「在レバノン日本国大使館からの新型コロナウイルス関連最新情報」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、「レバノン保健省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますホームページ」、「ベイルート空港外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますホームページ」などにて最新情報を確認する必要がある。

(井澤壌士)

(レバノン、エジプト)

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