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EU、インド太平洋地域における協力に関する戦略を発表

(EU)

ブリュッセル発

2021年09月17日

欧州委員会とEUの外務・安全保障政策上級代表は9月16日、「インド太平洋地域における協力に関するEUの戦略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」と題した政策文書を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。欧州委のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は15日の一般教書演説(2021年9月16日記事参照)の中で、同地域におけるEUのプレゼンスを向上させる必要があると指摘しており、戦略ではその優先課題が示されている。

戦略では、まず現状認識として、中国などが軍事力を増強しインド太平洋地域における緊張が高まっていること、専制的な体制によって民主主義の原則や人権が脅かされていること、さらに現在のアフガニスタンにおける危機を通じて、この地域の情勢が欧州の安全保障に直結することが確認されたこと、などを挙げている。中国との関係については、課題ごとに多面的な関わり方をとるとし、人権のように根本的な相違のある問題では毅然とした態度を取っていくとした。EUとしては引き続き、重大な人権侵害に関わった個人や組織に対し制裁を発動していくこと、またアフガニスタンおよびミャンマーの少数民族ロヒンギャのような事例では、人道的観点からEUとしての支援を続ける姿勢を示した。なおアフガニスタンについて、フォン・デア・ライエン委員長は一般教書演説の中で、人道支援の規模を1億ユーロ増強するなどのアフガン支援パッケージを近く取りまとめるとしている。

バリューチェーン、グリーン、デジタルなどにおけるパートナーシップを強化

戦略では、(1)持続可能で包摂的な繁栄、(2)グリーン化への移行、(3)海洋ガバナンス、(4)デジタル・ガバナンスとパートナーシップ、(5)コネクティビティ、(6)安全保障・防衛、(7)人間の安全保障、の7領域を優先すべき協力分野に挙げている。

そのうち、(1)の観点では、「新型コロナ危機」を通じて強靭(きょうじん)なバリューチェーンの確保の重要性が確認されたことから、EUの貿易協定締結相手である日本や韓国などとの連携強化を掲げ、具体的には半導体分野での協力を提起した。また、オーストラリア、ニュージーランドなど貿易協定を交渉中の相手国については交渉を加速させるとともに、インド、マレーシア、タイなどとの交渉再開、台湾との交渉への関心にも言及した。

(2)のグリーン化については、2050年の気候中立に向け、方向性を共有するパートナー国との気候変動対策における協働を進めるとし、2021年5月に日本との間で合意した「日EUグリーン・アライアンス」(2021年5月31日記事参照)がモデルとなるとした。

(4)のデジタル化については、技術協力やインフラ整備、社会のデジタルトランスフォーメーションといった課題において方向性を共有するパートナー国とデジタル・パートナーシップ協定の締結に向けた交渉を開始したいとの構想を示し、まずは日本、韓国、シンガポールとの交渉立ち上げを模索していることを明らかにした。

(安田啓)

(EU)

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