江蘇省発の中欧班列、鉄道新ルートの開通相次ぐ

(中国)

上海発

2021年09月10日

中国・江蘇省交通運輸庁は9月1日、江蘇省発で中国と欧州を結ぶ国際貨物列車の中欧班列(以下、江蘇班列)の運行本数が、2021年1~8月に前年同期比1.8%増の1,046本となったと発表した。中欧班列全体では、既に前年の8割の水準に達している(2021年9月7日記事参照)。

江蘇班列は、2020年下半期には徐州とドイツのハンブルグ、連雲港とモンゴルのウランバートル、2021年には蘇州とフィンランドのヘルシンキ、連雲港とベトナムのハノイ、連雲港とアゼルバイジャンを経由してトルコのイスタンブールなど、新たなルートの開通を続けている。

南京税関の統計によると、2021年1~7月の江蘇班列の鉄道輸送サービスによる輸出入額(連雲港の通過貨物分を含まない)は前年同期比39.2%増の121億6,500万元(約2,068億500万円、1元=約17円)となった。新型コロナウイルスの感染拡大で航空便や船便に滞りが発生している状況の中、江蘇班列の鉄道輸送が、省内企業の物流網を支えている。

2020年8月に、江蘇省政府は、江蘇班列の運営会社「江蘇省国際貨運班列」を設立し、これまで省内の各市がそれぞれ行っていた管理・運営業務を一元化した。同社は鉄道輸送と、海上輸送を行っている。第14次5カ年(2021~2025年)規画期間中、国際貨物列車の運行本数を年平均で6%増やし、新たに15都市と結ぶ10ルート以上の開通を目標としている。

江蘇省交通運輸庁の梅正栄副庁長は、江蘇班列による鉄道輸送について「今後、復路便の貨物取り扱いシステムの構築に全力を挙げ、主要外国都市における集荷機能を強化していく」とコメント、往復の輸送量の均衡を促進し、輸送コストの低減を目指す方針を明らかにしている(「新華日報」9月1日)。

(尹世花)

(中国)

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