強制ライセンスに関する改正法案を大統領が署名

(ブラジル)

サンパウロ発

2021年09月09日

ジャイール・ボルソナーロ大統領は9月2日、強制ライセンスに関するブラジル産業財産法の改正法案(2021年7月13日記事2021年8月18日記事参照)に一部修正を加え、署名した。法律第14.200号として同日施行外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。

ボルソナーロ大統領は、公益上の理由から、特許または特許出願によって保護されている製品製造のために必要な情報およびノウハウなどのデータの提供を義務付ける条項に拒否権を行使した(注)。また、強制ライセンスが法によって付与されることを示す条項についても拒否権を行使した。緊急事態が宣言されている間は、連邦行政府が職権で強制ライセンスの付与を行う権限があり、法律によって条件を定めることは不明確だと説明している。

現時点では、新型コロナワクチンは関係国によって提供されているため、新型コロナウイルスの感染対策として強制ライセンスは適用されない。

(注)ブラジルでは、大統領による部分的な(条項ごとの)拒否権の行使が認められており、拒否された条項が削除されたかたちで法律を施行させることが可能。ただし、30日以内に連邦議会が再審議し上下両院の過半数で合意すれば、大統領による拒否権を覆すことができる。

(貝沼憲司)

(ブラジル)

ビジネス短信 018195327d1712d7