米運輸省、自動車燃費基準の罰金額引き上げを2019年製車へ前倒し適用提案

(米国)

ニューヨーク発

2021年08月23日

米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は8月18日、連邦政府が定める企業別平均燃費基準(CAFE)に達しなかった自動車メーカーに対し、現在予定している罰金額引き上げの対象車両を2022年製車から2019年製車に前倒しする規則制定案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。

連邦政府は1975年に成立した「エネルギー政策・保存法(Energy Policy and Conservation Act)」に基づき、CAFE基準値に満たない企業に対し、1ガロン当たりの未達分0.1マイルごとに一定額の罰金を科している。罰金額の単価に関しては、オバマ政権下の 2016年に、各省庁はインフレーション調整した民事金銭罰の見直しを求められたことから、NHTSAは2019年製車以降の車両を対象として、罰金額をそれまでの5.5ドルから14ドルに引き上げる規則を発表した。トランプ前政権下では、2019年7月に罰金額を5.5ドルに引き戻す規則を発表したが、カリフォルニア州など12州とワシントンDC、環境団体などが提訴した。連邦控訴裁判所は2020年8月、この規則を無効とする判決を出し、罰金額は14ドルへ引き上げられている。

一方、罰金額引き上げの開始時期に関しては、トランプ前政権下の2021年1月14日、自動車業界団体などの要望を受けて2019年製車から2022年製車に後ろ倒しする暫定最終案を発表した。これに対して、基準値超過分を基準値に満たない企業へのクレジット売却で利益を得る電気自動車(EV)メーカーのテスラや、燃費向上による環境改善を目指す環境団体、民主党議員などがその制定過程の妥当性などで反意を示し、法廷での異議申し立てに発展している。今回の規則制定案は、この暫定最終案に対するパブリックコメントや、トランプ前政権下で定められた全規則の見直しを指示した2021年1月20日の大統領令(2021年1月22日記事参照)を受けて発表されたものとなる。

NHTSAは、2019年製車からの開始が実現した場合、2022年製車からの開始に比べて罰金額は1億7,850万ドル増加すると試算している。また「2019年製車からインフレーション調整後のペナルティー率を適用することで、(自動車メーカーは)今後の追加的な高額の罰金支払いを回避するために、法令順守や燃費改善にさらに大きなインセンティブが働くことになる」と述べ、メーカーで燃費改善を加速させる効果にも期待する。

今回の規則制定案に対し、NHTSAは官報に掲載予定の8月20日から30日間、オンライン(http://www.regulations.gov)などでパブリックコメントを募集する。詳細はNHTSAホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(大原典子)

(米国)

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