アフリカ大陸の累計感染者数が700万人を突破

(アフリカ)

中東アフリカ課

2021年08月20日

アフリカ大陸の新型コロナウイルスの感染者数が累計700万人を突破した(8月8日、オックスフォード大学「Our World in Data」)。7月13日に600万人に達してから(2021年7月20日記事参照)、26日間で100万人増加しており、感染スピードは前回よりもさらに1週間早くなった。大陸全体の1日当たりの新規感染者数は、7月のピーク時の4万人からやや減少傾向にあり、現在は3万5,000人程度で推移している。これまで、南アフリカ共和国が大陸全体の感染者数に影響を与えてきたが、その傾向が変わりつつある。

南アの感染者数は徐々に減少しており、1日当たりの感染者数が2万人に迫った7月8日をピークに、大幅に減少している。南アの直近1週間平均の新規感染者数(8月18日現在)は1万2,105人となっている。ただ、8月は1万人台で下げ止まり、ここ数日で再び増加に転じており、注意が必要だ。

一方、急激に感染者数が増加しているのがモロッコだ。国際航空路線の再開などの規制緩和以降、感染が拡大している(2021年8月4日記事参照)。8月上旬には新規感染者数が1万人に迫り、政府は移動規制などを強化している。近隣諸国のチュニジア(2,223人)やリビア(2,109人)でも新規感染者数は徐々に増えている。

加えて、日本企業が多く集積する主要国でも7月以降、新たな感染拡大の兆しがみられる。ケニアでは、直近1週間平均の新規感染者数は過去最多に迫る1,238人となった。エチオピア、ナイジェリア、ガーナの感染者数はまだ500~1,500人であるものの、ピークはなく、今後も増加が見込まれる。

アフリカ全人口に占める2回のワクチン接種完了者の割合は1.75%と低迷しているものの(8月17日、アフリカCDC)、一部の国では積極的にワクチン接種に取り組んでいる。3,600万の人口を擁するモロッコは、アフリカで最もワクチン接種が進む国で、人口の3割以上のワクチン接種を完了している。エジプトは、中国のシノバックワクチンの国内製造を始めた(2021年7月9日記事参照)。地元紙によると、エジプト大統領の保健担当顧問は8月17日、ワクチン接種を義務化とする旨を公表している。

(小林淳平)

(アフリカ)

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