新型コロナ対策の衛生緊急事態続く、移動規制など強化

(モロッコ)

ラバト発

2021年08月04日

モロッコ政府は8月2日、新型コロナウイルス感染拡大抑制のため、翌3日午後9時から移動や集会などを制限すると発表した。終了の期限は今のところ発表していない。

同国では7月以降、新規感染者数が急激に増加している(2021年7月9日記事参照)。保健省によると、8月2日の感染者数は4,206人と、7月初旬に比べて4倍に達している。累計感染者数は63万3,923人、累計死者数9,885人となっている。ワクチン接種については、8月2日時点で人口3,522万人のうち1,397万3,650人が1回目の接種を受け、うち1,028万3,660人が2回目の接種を完了している。

国民にとって重要な年中行事である羊犠牲祭(7月21、22日)前後には人々が国内外から故郷に里帰りすることから、さらなる感染拡大が懸念されていた。また、7~8月は夏休みシーズンで人の動きが変わるため、感染拡大抑制に向け政府がさらなる引き締めを図ったとみられる。

主な実施措置は次のとおり。

  • 午後9時~翌日午前5時の外出禁止。
  • 特に感染が広がるカサブランカ、マラケシュ、アガディールとの自由往来の禁止(ワクチンパスポート保持者や輸送業関係者などを除く)
  • レストランやカフェの午後9時閉店。
  • 公衆浴場やスポーツジム、スイミングプールの閉鎖。
  • 集会や催しは25人以下で実施し、地元当局の許可を得たもののみ。宿泊業や観光業は定員の75%以下での運営。
  • リモートワークの推進。

(本田雅英)

(モロッコ)

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