新型コロナ行動規制を再び強化、マスク着用義務も再導入

(エストニア)

ワルシャワ発

2021年08月03日

エストニア政府は7月30日、新型コロナウイルス感染拡大防止のための新たな行動制限措置を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。エストニアでは2021年5月以降に新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限を徐々に緩和してきたが(2021年5月14日記事参照)、7月に入って新規感染者数が再び増加に転じていた。そのため、8月2日からは屋内イベントの最大収容人数を従来の1,000人から500人へ、屋外イベントについては5,000人から1,500人へと減らす。翌週の8月9日からは屋内イベントでの収容人数を最大50人、屋外イベントは100人と制限がさらに厳しくなる。また、2021年6月に入って義務化を撤廃した12歳以上の者に対する公共交通機関でのマスク着用についても、8月2日から再び義務化された。

ワクチン接種証明書で入場者管理をする場合は収容人数を拡大

一方、ワクチン接種証明書、陰性証明書(注1)、回復証明書などの提示で入場者管理を行うイベントや施設においては、屋内は6,000人、屋外は1万2,000人と、最大収容人数を大幅に引き上げる。これらのイベントでは主催者側が18歳以上の全ての参加者やイベント関係者の証明書の有効性を確認するという条件が付く。

他方、エストニアではワクチン接種率が伸び悩んでおり、欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、8月2日時点で1回目接種者は全成人(18歳以上)の56.6%、2回目接種完了者は51.1%にとどまっている。欧州経済領域(EEA、注2)平均の1回目接種者70.6%、2回目接種完了者57.5%には届いていない。医療関係者からは、ワクチン未接種者への行動規制を導入するべきとの声も上がっており(エストニア公共放送7月21日)、ワクチン接種証明書の利用が広まることでワクチン接種率の向上に期待がかかる一方で、ワクチン接種義務化などに反対する人も少なくない(エストニア公共放送7月25日)。

(注1)PCR検査は入場前72時間以内、抗原検査は入場前48時間以内に、いずれも医療機関で実施しなければならない。

(注2)EU加盟国およびノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン。

(吉戸翼)

(エストニア)

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