米連邦通信委、中国通信関連5社の認証を禁止する規則案公示、パブコメ募集

(米国、中国)

ニューヨーク発

2021年08月23日

米国連邦通信委員会(FCC)は8月19日、安全保障上リスクがあると認めた製品・サービスに対する認証を禁止する規則案を官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公示した。パブリックコメントを募集した上で、最終的な規則案を策定する。パブリックコメントは9月20日まで募集し、コメントへの返答については10月18日まで募集するとしている(注)。

規則案自体は6月に発表されていたが(2021年6月23日記事参照)、今回、正式に官報で公示した。規則案の趣旨は、FCCが国家安全保障と米国人の安全に容認できないリスクをもたらし得ると指定した「対象機器・サービス(covered equipment and services)」について、米国への輸入と国内販売のための認証を与えないよう既存のルールを改正することだ。「対象機器・サービス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」のリストに現在指定しているのは、中国の華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)、ハイテラ、ハイクビジョン、ダーファの5社による製品・サービスのみとなる。ただし、同リストはFCCの公安・国土安全保障局(PSHSB)の判断で常に更新される可能性がある。

リスクある機器・サービスの除去費用の償還プログラムも始動

関連する動きとしてFCCは8月20日、国内の先進的な通信サービス・プロバイダーが国家安全保障に容認できないリスクをもたらし得る製品・サービスを除去、交換、処分した場合の費用を償還するプログラムに関する最終規則を発表した。正式には8月23日に官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公示し、10月22日に施行となる。この「安全で信頼できる通信ネットワーク償還プログラム(償還プログラム)」は、2020年3月に成立した「安全で信頼できる通信ネットワーク法(H.R.4998)」の指示に基づいて創設した枠組みで、約19億ドルを割り当てている。最終規則によると、顧客が1,000万人以下の国内サービス・プロバイダーで、2020年6月30日までにファーウェイもしくはZTEの製品・サービスを調達している場合を対象に、それら製品・サービスの恒久的な除去、交換、処分にかかった費用をプロバイダーに償還するとしている。

FCCのジェシカ・ローゼンワーセル委員長代行は、今回の規則の詳細を決定した7月の会合時に公表した声明で、本プログラムの申請受け付け開始日として10月29日を目指すとしていた。官報案のスケジュールどおりに進めば、予定より前倒しでプログラムが開始されることになる。

(注)コメントはFCCのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますからオンラインで提出可能。

(磯部真一)

(米国、中国)

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