中銀が2会合連続で利上げ、政策金利は4.50%に

(メキシコ)

メキシコ発

2021年08月13日

メキシコ中央銀行は8月12日、政策金利を0.25ポイント引き上げて4.50%とすることを発表した。6月24日の金融政策決定会合(2021年6月30日記事参照)から2回連続での引き上げとなる。今回の利上げは5人の理事のうち3人が賛成して決定した。

中銀はプレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で「新型コロナウイルス感染拡大のリスクは残るものの、メキシコ経済は2021年第2四半期(4~6月)を通じて回復を見せており、2021年内は回復基調が続くとみられる」とした上で、「世界的なインフレ率の上昇や、新型コロナ禍がサプライチェーンに与えた影響が国内のインフレ上昇圧力となっている」と指摘し、6月に発表した四半期レポートで発表したインフレ予測値を引き上げたと説明している(添付資料表参照)。中銀は、2022年第2四半期以降はインフレ率が徐々に下降し、中銀が設定する年間のインフレ目標(3%±1%)に近づくのは2023年第1四半期(1~3月)ごろとみている。

7月のインフレ率は5.81%増、4カ月連続で5%を上回る

国立地理統計情報院(INEGI)が8月9日に発表したデータによると、7月の消費者物価上昇(インフレ)率は前年同月比(年間)で5.81%だった。4月(6.08%)、5月(5.89%)、6月(5.88%)と4カ月連続で5%を超える水準となった。7月のインフレ率の内訳をみると、非コアインフレ率が9.39%で、原油価格の回復によって上昇したエネルギー価格(14.41%)、食肉などの畜産物(10.08%)が押し上げ要因となっている。コアインフレ率も4.66%と、財(「食品・飲料・たばこ」が6.14%、食品などを除く財が5.30%)を中心に高い水準を保っている。

(注)コアインフレは、天候などによる価格変動が大きい農産品、エネルギー価格、政府の方針で決定する公共料金を除いた指数。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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