アルジェリア政府、モロッコとの断交を発表
(アルジェリア、モロッコ)
パリ発
2021年08月31日
アルジェリアのラムタン・ラマムラ外相は8月24日の記者会見で、モロッコ政府との国交断絶を発表した。アブデルマジド・テブン大統領は、8月18日にモロッコとの外交関係の見直しと同国との国境における安全対策の強化を指示していた。
ラマムラ外相は今回の断交について、モロッコが同国に対して敵対的な行動を続けているとして、パレスチナ人の権利支援や西サハラ問題解決への努力などをうたった両国間の国交正常化の下での1988年5月の共同コミュニケにモロッコが違反していると説明した。アルジェリアの主張のポイントは以下のとおり。
- モロッコがイスラエルとの国交正常化を積極的に進める中(2020年12月15日記事参照)、イスラエルのヤイル・ラピッド外相が2021年8月11日にモロッコを訪問した際に、アルジェリアに対して敵対的な発言をした。
- モロッコ政府がアルジェリア北東部カビール地方の独立派テログループを支援し、8月上旬に同地域で多数の死者を出した大規模な山火事の発生に関与した。
- モロッコ政府が、イスラエル企業が開発したスパイウェア「ペガサス」をアルジェリアの当局者および国民に対して広く使用した。
- モロッコ政府が西サハラ問題の解決への取り組みを拒否している。
(ピエリック・グルニエ)
(アルジェリア、モロッコ)
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