経済財政省、新型コロナ禍で中断していた財政ルール再開

(ペルー)

リマ発

2021年08月19日

ペルー経済財政省(MEF)は8月14日付で、国の財政赤字をGDP比1%以下に、公的債務残高を同30%以下に抑えることを定めた財政ルールの適用を再開する緊急令第079-2021号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布した。このルールは2020年4月11日に発令した立法令第1457号によって一時中断していた(2020年4月21日記事参照)。今回の緊急令では、2022年の非金融公的部門における年間財政赤字をGDP比3.7%以下に、同公的債務残高を同38.0%以下に抑える新たなルールも定めた。MEFはこの新たなルールの下で2022年以降の財政赤字と公的債務残高の縮小に努め、持続的な財政基盤の構築を目指すとしている。

ペドロ・フランケ経済財政相は自身のツイッターで、財政ルールの一時中断は「新型コロナ禍」の中での特例措置だったと強調した。また、新型コロナのワクチン接種と経済活動再開の進展によって今後の展望が見えてきたとして、今回の措置について「ペルーはこの先数年で再び強固な財政基盤を復活させるというメッセージ」と述べた。MEFのプレスリリースでも、同大臣はペルーの2021年の経済成長率見通しを10%で維持するとし、さらに中南米域内で財政赤字と公的債務残高が最も低い国に名を連ねることを宣言した。

中央準備銀行(BCR)の幹部でエコノミストのエルメル・クーバ氏はペルーの有力紙「ヘスティオン」のインタビューで、今回の措置は国外に向けて肯定的なメッセージになるだろうと評価した。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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