上海市、客を乗せた自動運転バスのテスト走行始まる

(中国)

上海発

2021年08月24日

中国の上海市浦東新区で8月17日、客を乗せた自動運転バスが滴水湖を一周するテスト走行が行われた。同市政府は2020年5月に「上海市の新たなインフラ施設の建設を推進するための行動方案(2020~2022年)」を発表し、人工知能(AI)とインテリジェント・コネクテッド交通の発展を推進していく目標を示した(2020年5月18日記事参照)。2020年10月にはインテリジェント・コネクテッドバスのテスト走行が実施されている。

上海臨港交通の李兵総工程師(エンジニア)によると、今回のテスト走行のルートは8.5キロ、停留所は8つあり、1周するのに約30分かかる。乗客はSNSアプリの微信(WeChat)のミニプログラム「環湖一路インテリジェント・コネクテッドバス予約(環湖一路智能公交予約)」で乗車を予約できる。

テスト走行用の道路ではさまざま情報源を活用して交差点の通行効率を引き上げ、歩行者の安全性を確保する。自動運転バスは信号の認識や、音声による自動運転状況の確認、停留所での自動停止、ドアの自動開閉などの機能を備えており、自動運転レベル3(注)を実現している。

上海市の自動運転試験用のナンバープレート交付数は全国首位となっており、テスト走行から実際の利用に向けた動きが盛んになっている(2021年3月23日記事参照)。

(注)条件付き自動運転を指す。

(侯恩東)

(中国)

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