5人に1人は新型コロナのワクチン接種を希望せず、米大学世論調査
(米国)
米州課
2021年08月06日
米国コネチカット州のキニピアク大学は8月5日、新型コロナウイルスのワクチン接種などに関する世論調査結果(注)を発表した。
それによれば、ワクチン接種を行った、あるいは行う意思があると回答した人は72%と大多数で、ワクチン接種を行う意思がないとする人は21%だった。ワクチン接種を行わない理由としては、「安全でない」が51%、「必要ない」が41%となった。
一方、デルタ変異株の感染拡大を懸念するかという問いに対しては、58%が「懸念する」と回答した。キニピアク大学選挙アナリストのティム・マロイ氏は「5人に1人はワクチン接種を望まないとしているが、変異株まん延の懸念は高まっている」と分析している。
ワクチン接種を要求することについては、医療従事者や政府機関職員に対して要求することを「支持する」と回答した人は、それぞれ60%、53%と過半数を超えたが、大学生や民間企業の従業員に対しては、それぞれ48%、45%だった。
また、ワクチン接種証明の提示については、場合によって意見が分かれた。飛行機の乗客に対して提示を求めることは、52%が「支持する」と回答した。大規模イベントの参加者に対して提示を求めることは、49%が「支持する」と答えたが、レストランの顧客に対して提示を求めることは「支持する」が37%だった(注2)。
マスク着用推奨については過半数が支持
米国疾病予防管理センター(CDC)は、ワクチン接種完了者に対しても感染拡大地域でのマスク着用を推奨している(2021年7月9日記事参照)が、これを「良いこと」とする人は61%と過半数を超えた。CDCがワクチン接種の有無にかかわらず、公立の教育機関の学生や教職員にマスク着用を推奨していることに関しては、55%が「良いこと」と回答した。
マスク着用を義務付けることについては、「さらに必要」と回答した人が37%、「緩めてもよい」が32%、「現状でよい」が24%と意見が分かれた。
(注1)調査実施時期は、7月27日~8月2日。対象者は、全米の成人1,290人。
(注2)ニューヨーク市では、屋内活動を行う際に新型コロナウイルスワクチン接種証明の提示を義務付ける見通しを発表した(2021年8月4日記事参照)。
(松岡智恵子)
(米国)
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