米ニューヨーク市、屋内活動に新型コロナワクチン接種証明求める方針、全米初
(米国)
ニューヨーク発
2021年08月04日
米国ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は8月3日、屋内活動を行う際に新型コロナウイルスワクチン接種証明の提示を義務付ける見通しを発表した。正式には8月16日の週に規制を発表し、発表日から施行する予定。全米で初の試みとなる。
デブラシオ市長は今回の取り組みを「Key to NYC Pass(ニューヨーク市への通行証)」と紹介した。屋内のレストランや運動・娯楽施設に入る際、利用客か従業員かを問わず、最低1回のワクチン接種を行ったことを証明するよう求める。証明方法は、米疾病予防管理センター(CDC)発行の接種証明(紙)またはニューヨーク州・市が発行する電子証明等が有効となる(注)。規制内容は、産業界と意見調整中として、8月16日の週に詳細を含む行政命令を発表・施行する予定。当面を移行期間とし、本格的な取り締まりは学校再開と企業の出社制限を解禁する9月13日から行う。
デブラシオ市長は「全員の賛同が得られないことは理解している」と述べる一方、ワクチン接種率の向上や経済回復に必要な措置と説明した。ニューヨーク市では、最低1度の接種を行った市民の割合は約6割、成人では71.8%に上る。なお、デブラシオ市長は詳細は検討中としつつも、今後2~3カ月以内に5~11歳が接種資格を得るとの想定の下、12歳未満も対象に含める考えも示した。
ニューヨーク市は7月26日に、市の全職員に対するワクチン接種証明(未接種者には検査)を義務付けた(2021年7月28日記事参照)。8月2日には、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が州の都市交通局(MTA)や港湾の職員、医療従事者に同様の義務を課すとともに、民間事業者にも利用客に入店時に接種証明を求めるよう呼び掛けている。
(注)電子証明については、ニューヨーク市が提供する専用アプリや、ニューヨーク州による電子証明「エクセルシオール・パス(Excelsior Pass)」の利用が想定される。なお、デブラシオ市長は、市外からの観光客等を想定し、複数の証明方法を用意する意向を示している。
(藪恭兵)
(米国)
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