米CDC、ワクチン接種完了者にも屋内でのマスク着用を呼び掛け、感染拡大地域で

(米国)

ニューヨーク発

2021年07月29日

米国疾病予防管理センター(CDC)は7月27日、新型コロナウイルスの変異株であるデルタ株による感染増を受けて、感染拡大地域(注)ではワクチン接種完了者であっても屋内ではマスクを着用するようガイダンスを変更外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ワクチン接種完了者のマスク着用は原則不要とした5月13日以来の方針変更となる(2021年5月18日記事参照)。

CDCのデータによると、米国での新型コロナウイルスの新規感染者数は4月中旬以降、減少傾向を続けていた。しかし、6月中旬から再び急増しており、直近の7月27日には7日間移動平均で約6万2,000人と、減少傾向に入る前の4月上旬以前の水準とほぼ同等になっている。CDCが7月20日に公表したデータによると、米国内の新規感染者の80%以上がデルタ株の感染となっている(2021年7月26日記事参照)。

ニューヨーク州は医療従事者と州職員にワクチン接種を義務付け

米北東部ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(民主党)は7月28日、デルタ株による感染増を受けて、州内の病院で患者に接する医療従事者と州職員に対して、9月6日のレーバーデーまでにワクチン接種を完了させるよう求めると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。州職員は、接種を完了できない場合は、毎週、検査を受けなければならない。ニューヨーク市と退役軍人省も7月26日に同様の方針を定めており、米国内でデルタ株を警戒する動きが徐々に高まっている(2021年7月28日記事参照)。

(注)CDCが感染度合いを郡単位で4段階に分けているうち、最上位の「高い(High)」と2段階目の「相当程度高い(Substantial)」に指定された地域を指す。「高い」の定義は過去7日間の新規感染者が10万人中100人以上か、同期間の感染率が10%以上となる。「相当程度高い」は、同じく新規感染者が10万人中50人~100人未満か、感染率が8~9.99%となる。指定はCDCのページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで毎日更新される。

(磯部真一)

(米国)

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