外国企業幹部の入国後の自主隔離を再び免除、基準は大幅に引き上げ

(英国)

ロンドン発

2021年07月01日

新型コロナウイルス感染症をめぐり、英国政府は6月29日、イングランドに出張する多国籍企業幹部などの入国後10日間の自主隔離義務を、一定の条件下で免除する規定を施行した〔修正規則「別表4に対する修正」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます10.(5)およびガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照〕。自主隔離免除国(「グリーンリスト」掲載国)(2021年5月12日記事参照)以外の国からの渡航に適用され、日本からの渡航にも利用できる。

対象となるのは、以下に該当する取締役・執行役員などの経営幹部。

  • 英国に500人以上を雇用する子会社または支店を持つ「多国籍企業」の幹部
  • 上記多国籍企業に該当せず、事業・投資目的で訪英する「国際企業」の幹部

多国籍企業の場合、幹部の英国出張によって、在英子会社・支店における500人以上の雇用が創出または維持される可能性が高いとする合理的確信があることが条件となる。国際企業では、幹部の出張が英国に「重要な経済的利益」をもたらす合理的確信があることが条件で、具体的には以下のように定められている。

  • 500人以上の雇用が創出または維持される可能性が高い、在英企業への投資
  • 出張(英国到着日)から2年以内に500人以上の雇用が創出される可能性が高い、新規企業設立

利用には政府からの事前許可が必要で、陰性証明取得や入国後検査予約など通常の渡航前手続きに加え、所定のフォームで申請する(注)。免除対象となる活動は、投資決定などに関わる重要な会議や現地視察などに限られるほか、対象活動を行っている時とそのための移動時のほかは、自主隔離が必要となる。

大企業優遇に異論も

政府は2020年12月にも類似の免除規定を施行したが(2020年12月8日記事参照)、その後の感染拡大を受け、翌月中旬に停止していた(2021年1月18日記事参照)。今回、再び緩和した格好だが、前回施行時は50人だった雇用の基準値は10倍に引き上げられたほか、英国から出国した英国企業幹部の帰国や、英国からの商品・サービス購入の契約のための渡英は免除対象から外れるなど、前回より厳しい内容になっている。

今回の免除規定施行について、英国経営者連盟(CBI)のマシュー・フェル英国政策部門長は声明で、「歓迎すべき歩み」と評価しつつ「いまだ多くの企業がより強力な緩和を切望している」と続け、間口拡大の必要性を指摘。英国経営者協会(IoD)のテジュ・パリク主席エコノミストは「経済復興の原動力となるのは中堅企業。大企業幹部の自主隔離要件を事実上引き下げる施策は、恣意(しい)的にみえる」と述べ、中小企業支援の重要性を見落とすべきではないと警告している。

(注)フォームと申請先Eメールアドレスは、ガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載されている。

(宮崎拓)

(英国)

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