英国とEU、北アイルランド向け肉製品関連の緩和措置延長に合意

(英国、EU)

ロンドン発

2021年07月02日

英国政府は6月30日、ソーセージなどの冷蔵肉製品に関する北アイルランド議定書の緩和措置期間について、9月30日までの延長でEUと合意したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(2021年7月1日記事参照)。同議定書では、グレートブリテン島から北アイルランドへのソーセージなどの冷蔵肉製品の流通には制限が課されているものの、従来の緩和期間が延長されることにより、引き続き流通可能な状態が続くこととなる。ただし、英国政府は以下の条件外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを課すとしている。

  • 所定のEU規則で定められた北アイルランドの国境管理施設(Border Control Post)を通すこと。また、当該国境管理施設からスーパーマーケットまでの流通について、所定の手続きに則すること。
  • 北アイルランド内のスーパーマーケットの最終消費者に対してのみ販売されること。それ以外の食料供給チェーンの事業者に販売してはならない。
  • 英国政府当局が発行した適切な公的証明書が添付されていること。
  • 最終消費者向けに梱包(こんぽう)され、当該商品が英国内のみで販売されることを明確にしたラベルが付されていること。英国政府は可能な限り早期に製品レベルのラベル導入に努める。

これを受けて、英国のデービッド・フロスト内閣府国務相は「期間延長という合意は賢明で喜んでいる」として、合意を歓迎している。一方で「合意は一歩前進ではあるが、問題の恒常的な解決が必要だ。英国の一部である北アイルランドの人々は、グレートブリテン島の製品を多年にわたって享受できるべきだ」としており、一時的な合意ではなく、恒久的な合意が必要という認識を強調している。なお、英国政府は、今回の合意は英国の他の領域でEUの規制変更への連動などの対応が必要なものではないとして、英国全体としては影響は限られていることも言明している。

(根本悠)

(英国、EU)

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