ASEAN、対話国と高級経済実務者会合を開催
(ASEAN、日本、中国、韓国、カナダ、インド)
ジャカルタ発
2021年07月06日
ASEANは6月8~10日に高度経済実務者会合(SEOM)を、14~15日にSEOMとASEAN対話国・地域(注)のカウンターパートとの会合を、それぞれオンラインで実施した。2021年のASEAN議長国であるブルネイの特設ウェブサイトや各国担当省庁によると、実施された議論のトピックは以下のとおり。
SEOMのポイント
- ASEAN域内の経済統合深化のため、「分野横断的」な取り組みを促進することで一致。ASEANは「包括的復興枠組み(ACRF)」(2021年5月26日付地域・分析レポート参照)や「ASEAN経済共同体(AEC)ブループリント2025」に従い、「新型コロナ禍」からの回復策を実施。
- 新型コロナウイルス流行期間中に貿易制限的・貿易歪曲(わいきょく)的な非関税措置を設けないと約束した医薬品や医療用品などエッセンシャル物品リストの対象を、コメなどの農産物までに拡大することについて議論。
日本‐ASEAN高級経済実務者会合(SEOM‐METI)のポイント
- 日本とASEAN間の経済統合を円滑化させるための各種取り組み、および日・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)第一改正議定書の批准状況に関する意見交換を実施。
- 「日ASEAN経済強靭化アクションプラン」の実行について確実な進捗を歓迎。
その他の国・地域との対話のポイント
- SEOM+3(日本・中国・韓国):「ASEAN+3経済協力プログラム2021-2022」のドラフトにつき検討を行い、経済協力のスコープ(範囲)について意見交換を実施。
- カナダ‐SEOM:ブルネイがASEAN議長国として経済分野で優先的に取り組む10の事項(優先経済デリバラブル:PED)(2021年1月19日記事参照)の1つであるASEANカナダFTA(自由貿易協定)について進捗を確認。
- インド-SEOM :ASEANインドFTA(2009年締結)の実施進捗などを確認。
(注)2021年4月時点のASEAN対話国・地域は、オーストラリア、カナダ、中国、EU、インド、日本、韓国、ニュージーランド、ロシア、米国の10カ国・地域。
(上野渉)
(ASEAN、日本、中国、韓国、カナダ、インド)
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