ASEANオンラインセールデー、域内の越境ECを促進

(ASEAN)

ジャカルタ発

2021年07月21日

ASEAN事務局は7月3日、「ASEANオンラインセールデー(AOSD)」の特設ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公開した。本イベントは2021年8月8日から10日にかけて、複数の電子商取引(EC)プラットフォーマーや事業者と連携し、ECを活用したASEAN域内の物品の越境販売を行うもので、2020年から実施している(2020年7月21日記事参照)。

「新型コロナ禍」で利用が伸びたECに着目

AOSDは、ASEAN電子商取引委員会(ACCEC)(注)が主導するイベントだ。特設ページでは、AOSDを行う背景を「『新型コロナ禍』においてECが購買手段として活用される中、ASEAN各国政府も事業者がオンラインに移行できる環境を整えようと努力している」と説明する。グーグルなどが2020年11月に発表したレポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ASEANのECにおける流通取引総額(GMV)は、2019年が380億ドル、2020年が620億ドルと、「新型コロナ禍」においても着実に増加している。

本イベントに関して、ジェトロがASEAN事務局にヒアリング(7月14日)を行ったところ、2020年に実施されたAOSDでは域内の215の事業者が参加し、3,000人以上がウェブサイトを訪問した。マレーシアでは、約2万5,000ドル、ミャンマーでは約1万2,000ドルの売り上げを記録した。出品を希望する事業者は、特設ページに記載されている各国の担当省庁へ連絡が必要となる。在ASEANで活動する日系企業の参加も可能だ。

2021年7月7日に実施されたASEAN日本人商工会議所連合会(FJCCIA)とASEAN事務総長との対話(2021年7月8日記事参照)において、リム・ジョクホイASEAN事務総長はEC活用の重要性に触れつつ、「AOSDへの日本企業の参加を奨励したい」とコメントしていた。

(注)2016年11月のASEAN高級経済事務レベル会合(SEOM)で構想され、同年度末に発足。ASEAN加盟国がECを経済・社会発展のために安全に活用できることを目指し、民間セクターとの対話などを行う。具体的な対象領域として、ECインフラやオンライン消費者保護、電子決済などがある。

(上野渉)

(ASEAN)

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