上半期の成長率、東北3省は全国平均を下回るも安定回復へ

(中国)

大連発

2021年07月30日

中国の遼寧省(7月19日)、吉林省(7月23日)、黒龍江省(7月22日)が発表した統計によると、2021年上半期(1~6月)の域内総生産(GRP)は、遼寧省が前年同期比9.9%増の1兆2,641億2,000万元(約21兆4,900億円、1元=約17円)、吉林省が10.7%増の6,083億4,600万元、黒龍江省が10.3%増の5,990億5,000万元となった(添付資料表参照)。3省とも全国平均(12.7%増)および第1四半期を下回る成長率だ(2021年5月12日記事参照)。

一定規模以上の企業(注)による工業付加価値額は、吉林省(前年同期比16.0%増)のみが全国平均(15.9%増)をやや上回った一方、遼寧省(11.5%増)と黒龍江省(12.1%増)とも全国平均を下回った。産業別にみると、遼寧省では、重点産業の石油化学工業(5.0%増)、農産品加工(7.1%増)、冶金(やきん)(11.2%増)と設備製造業(20.1%増)のうち、石油化学工業と冶金が第1四半期よりそれぞれ1.2ポイント、0.9ポイント上昇した。吉林省では、設備製造業(5.9%増)、石油化学工業(14.1%増)、自動車製造業(15.4%増)、食品産業(15.6%増)、冶金建材産業(21.7%増)、医薬産業(42.3%増)などの重点産業のうち、食品産業と設備製造業が第1四半期よりそれぞれ0.6ポイント、8.3ポイント上昇した。

また、固定資産投資総額の伸びは、吉林省(前年同期比15.9%増)と黒龍江省(15.2%増)が全国平均(12.6%増)を上回った。

貿易額をみると、遼寧省の輸出入総額と輸入額の前年同期比の増加率が第1四半期よりそれぞれ9.2ポイント、11.6ポイント上昇した。黒龍江省は、ロシアからの輸入額が19.5%増となり、うち天然ガスの輸入額が178%増と目立った。

東北3省の各政府は上半期の経済動向について、共通して「安定して回復に向かっている」と分析している。

(注)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(李穎)

(中国)

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