IMF、アジア新興国・地域の2021年経済予測を引き下げ、新型コロナの感染再拡大が影響

(インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、タイ、中国、インド)

アジア大洋州課

2021年07月29日

IMFは7月27日発表の「世界経済見通し(WEO、改訂見通し)(英語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます日本語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」で、アジアの新興・途上国・地域の2021年の実質GDP成長率を7.5%とする予測を発表した(添付資料表参照)。前回(4月)発表よりも1.1ポイント引き下げた。一方、2022年の予測については6.4%と、前回発表から0.4ポイント引き上げた。

IMFは、アジアの新興・途上地域の個別国・地域の2021年の見通しについては、インドを9.5%と予測し、前回予想より3.0ポイントと大きく引き下げている。その理由については、2021年の3月から5月にかけて新型コロナウイルス感染拡大の第2波が到来し、経済の回復が遅れると予想されることを挙げている。また、ASEAN5カ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)においても同様に、直近の新型コロナウイルスによる流行が経済活動の足を引っ張るとした。同5カ国に関しては、前回予想から0.6ポイント引き下げ、4.3%としている。

アジアの新興・途上国・地域の中では、中国が0.3ポイントの引き下げとなる8.1%との予測で、最も引き下げ幅が低い。IMFは引き下げの理由について、公共投資と財政支援の縮小を挙げている。なお、アジア以外の新興・途上国・地域については、IMFは2021年第1四半期に予測を上回る経済成長があったとし、おおむね予測を引き上げている。

アジアの新興国・地域については、アジア開発銀行(ADB)も7月20日発表のレポートPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、東南アジアの経済見通しを前回発表(4月)の4.4%から4.0%に、インドを11.0%から10.0%へと下方修正している(2021年7月29日記事参照)。

(三木貴博)

(インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、タイ、中国、インド)

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