ベトナム保健省、新たなワクチン接種計画を承認

(ベトナム)

ホーチミン発

2021年07月15日

ベトナム保健省は7月8日、2021~2022年の新型コロナウイルスワクチン接種計画を定めた決定3355/QD-BYTを承認した。

同決定によれば、集団免疫の獲得に向けて、2021年中に18歳以上の少なくとも50%の人々にワクチンを接種し、2022年3月末までに全人口の70%以上のワクチン接種を目標とする。

また、2021年7月から2022年4月まで全国規模でワクチン接種キャンペーンを展開するとし、接種の優先対象地域として、「感染の流行地域」「主要経済地域および政府開発プロジェクトが試行中の地域」「工業団地、労働者・住民の多い地域」「国際的な往来の多い国境地域」の4つを挙げる。

接種の優先グループについては、過去に出された接種計画(2021年2月25日記事参照)と比較して範囲がより広く、細かく分類されており、今般の決定では「工場労働者および関係者」や「フリーランス労働者」などが個別のグループとして設定されている。

第4波が続くベトナム、ホーチミン市で感染が急増

ベトナムでは、2021年4月末以降に発生した第4波の感染拡大が続いている。特に南部ホーチミン市では、対策を強化してきたが(2021年6月22日記事参照)、市中感染の増加が続き、7月9日から、最も規制の厳しい首相指示第16号に基づく社会隔離措置を実施している。

ホーチミン市は、7月9日から4日連続で新規感染者が1,000人を超え急増しており、第4波における累計感染者数は、7月13日時点で1万6,000人以上とベトナム全体の過半を占め、現在、全国最大の感染流行地域になっている〔ホーチミン市保健局疾病管理センター(HCDC)サイト7月13日〕。ファム・ミン・チン首相は、7月はホーチミシ市へのワクチン配分を優先するよう、保健省に指示している(「トイチェ」紙7月8日)。

(阿部浩明)

(ベトナム)

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