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新たな短時間労働の賃金補助制度、7月から導入

(チェコ)

プラハ発

2021年07月02日

チェコ政府は6月30日、雇用改正法を官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載した。翌7月1日施行の同法により、経済危機や自然災害などで企業が雇用を維持することが困難になった際の短時間労働制度(Kurzarbeit)が導入された。新型コロナウイルスのみならず、ほかのパンデミックや経済危機、自然災害、サーバー攻撃などの場合にも、政府の決定を基に適用する点が特徴で、企業が従業員に対して一時業務停止や縮小措置を講じる場合に適用する。現在導入している新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた企業への賃金補助プログラム(2021年2月25日記事参照)は時限的な制度で、10月末で終了することから(注)、雇用維持支援の恒常的なツールとして産業界からの期待も高い。

同制度の主な内容は以下のとおり。

○支援対象

  • 上述の経済危機、非常事態の影響で、政府が政令で定めた期間に時短労働対象者が発生した企業

○支援内容

  • 時短労働対象者にかかる労働コスト(雇用者が支給した手当「グロス賃金の最低80%」と雇用者負担の社会・健康保険料)の80%を国家が支給。
  • ただし、支給額は前年第1~3四半期(1~9月)の全国平均賃金の1.5倍が上限。支給期間は最長1年間。

○支援条件

  • 雇用者は、当該従業員に対してその業務量を通常の20~80%に制限し、かつ、グロス賃金の最低80%を支給する。
  • 雇用者は、賃金補助支給期間、当該従業員を解雇してはならない。

労働・社会福祉省は同制度について5月7日付資料PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、被雇用者には職と賃金の維持、雇用者には労働コスト削減、国家には失業手当低減と経済成長を支える内需の維持という利益を与えるものと説明していた。また、ヤナ・マラーチョバー労働・社会福祉相は、時短労働対象従業員は、勤務外時間を研修や資格取得などに利用することができ、後に訪れる経済成長期の企業の競争力を強化すると指摘していた。

時短制度導入には、企業側も歓迎の意を表明している。国内最大の雇用者団体・チェコ産業連盟のヤン・ラファイ副会長は同法案が上院を通過した6月9日のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、「秋に新型コロナウイルスのさらなる感染拡大の波が到来した場合も、その効果の高さが実証された新型コロナウイルス対策賃金補助プログラム『アンチウイルス』に代わる、クオリティーの高いツールが存在することになる」とした上で、「時短賃金補助制度は、危機的状況の中で国内企業の質の高い従業員、競争力、経済の核となる労働ポストの保持を長期的に支援するもの」と評価した。

(注)プログラムのうち「供給停滞、需要減退など間接的な事業への影響」を対象としたスキームは2021年5月31日に終了済み。「政府の感染拡大防止策による直接的な事業への影響(従業員の隔離による影響)」を対象としたスキームは10月30日に終了する。

(中川圭子)

(チェコ)

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