賃金補助プログラムをさらに延長、マスク着用義務の強化も

(チェコ)

プラハ発

2021年02月25日

チェコ政府は2月22日、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた企業への賃金補助プログラムに関して、適用期限を2021年2月28日から4月30日に延長することを決定した。このプログラムは、(1)政府の感染拡大防止策による直接的な事業への影響、(2)供給停滞、需要減退など間接的な事業への影響、の2つのスキームで2020年4月から実施されているもので、10月には(1)のうち、営業が停止あるいは制限された企業に対する国の負担額が引き上げられている(2020年10月19日記事2020年12月23日記事参照)。今回の延長に当たっては、賃金補助対象となる被雇用者の要件が2021年3月1日以降、雇用契約締結後3カ月以上経過した被雇用者のみに限定される。

政府は延長の理由を、新型コロナウイルス感染者数が増大、入院患者数も高止まりしている状況にある(添付資料図参照)一方で、新型コロナウイルスの影響だけではなく、災害、感染病などの影響により広範囲に適用できる短時間労働制度の成立が遅れているため、と説明している(2020年12月23日記事参照)。

また、政府は同日、感染状況悪化に鑑み、マスク着用規則の強化を決定した。これにより、2月25日から、(1)建物内(自宅を除く)、(2)屋外の公共空間で同一世帯以外の人と2メートル以上の距離を維持できない場合、FFP2、KN95などの防護マスク(レスピレーター)または医療用マスク(サージカルマスク)の着用が義務付けられ、これまで許可されていた布製のマスクあるいはマフラーなどで口と鼻を覆うことは認められなくなる(2月28日までは移行期間として、これらを使用することも可能)。ただし(1)のうち職場においては、他の人と2メートル以上の距離が維持されている場合には、上述の義務は課されない。

さらに店舗、公共交通機関、公共交通機関の停留所・駅・待合室、自動車内(同乗者が同一世帯のみの場合を除く)、国際空港、医療・介護施設などでは、防護マスクまたは医療マスク2枚重ねの着用が必要となるが、これに関しては移行期間が設定されておらず、2月25日から義務が課される。

なお、防護マスクに関しては、消費者の購買促進を目的として、政府は2月1日に、付加価値税(21%)を2月3日から4月3日までの期間限定で免除することを決定している。

(中川圭子)

(チェコ)

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