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5月のインフレ率は3カ月連続で目標値超え、電気料金の引き上げ響く

(ブラジル)

米州課

2021年07月09日

ブラジル地理統計院(IBGE)は6月9日、代表的な物価指数である拡大消費者物価指数(IPCA)の5月の上昇率が前月比0.83%だったと発表した。前年同月比では8.06%となり、ブラジル中央銀行が設定する年間のインフレ目標値(2.25~5.25%)の上限を3カ月連続で上回った(添付資料図参照)。

前月比の上昇率を費目別にみると、物価全体を最も押し上げたのは住居だった。上昇率は前月比1.78%、寄与度も0.28ポイントと、調査対象9費目の中で最も高かった(添付資料表参照)。6月9日付のIBGEのプレスリリースによると、その要因は、住居関連項目の調査対象の1つの電力価格の上昇にあるという。ブラジルでは現在、電気代の追加料金は水力発電所のダム貯水量や火力発電所の稼働率を基に算定されている。追加料金は「緑」「黄色」「赤1」「赤2」の4段階の色で示される。「緑」だと追加料金はないが、「黄色」の時は100キロワット時(kWh)当たり1.34レアル(約28円、1レアル=約21円)、「赤1」は同4.16レアル、「赤2」は6.24レアルが追加で徴収される。2021年1月から4月までは「黄色」だったが、5月は降雨量不足で貯水池の水が減少して「赤1」が適用されたことが今回の上昇の主な要因となった〔4月30日付国家電力庁(ANEEL)プレスリリース〕。鉱山エネルギー省傘下のエネルギー調査公社(EPE)によると、ブラジルは水力発電への依存度が高く、電力の約64.9%(2020年時点)を水力発電で賄っているため、降雨不足が続くと電力不足を引き起こしやすい特徴がある。また、5月28日付ANEELのプレスリリースによると、6月は「赤2」適用が発表されているため、7月9日発表予定のIPCAで電力価格のインフレがさらに進む可能性がある。

ブラジル中央銀行は6月16日、金融政策委員会(Copom)を開催し、政策金利(Selic)を3.50%から4.25%に0.75ポイント引き上げ、3会合連続の利上げとなった。同日付のプレスリリースによると、中銀は利上げの理由として、電気料金の上昇などに起因する予想以上の物価上昇があったことを挙げている。また、8月3、4日に予定されている次回Copomでの追加利上げの可能性も示唆している。

(高氏朋佳)

(ブラジル)

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