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米商務省、トランプ前政権による自動車の232条調査の報告書公開

(米国)

ニューヨーク発

2021年07月13日

米国商務省は7月6日、自動車・同部品輸入に関わる1962年通商拡大法232条に基づく調査(以下、232条調査)の報告書を公開外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

232条調査は、自動車分野の貿易赤字を懸念するトランプ前大統領の下、2018年5月に商務省が調査を開始した(2018年5月25日記事参照)。2019年2月に調査報告を受けたトランプ大統領(当時)は安全保障上の脅威を認定する一方、輸入制限措置は発動せず、欧州や日本との自動車協議を行うよう指示を出した(2019年5月20日記事参照)。当時、追加関税の回避を求めて、主要な自動車生産国やその業界団体をはじめ、米国の業界団体さえも、反対する声明を出していた(2018年7月26日記事参照)。

結局、輸入制限措置はなかったものの、議会は調査報告の公開を求め、パット・トゥーミー上院議員(共和党、ペンシルベニア州)が公開を義務付ける条項を付帯させた2020会計年度歳出法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが成立した。2020年12月の同法成立後、ウィルバー・ロス商務長官(当時)は公開を拒み、今回バイデン政権が公開するかたちとなった。

報告書には、自動車産業の発展が米安全保障にとって不可欠であり、同産業が安価な輸入車により弱体化した結果、米メーカーによる軍事上も重要な技術(電動化、自動運転、水素燃料、先端半導体など)の研究開発の低迷が危機的状況にあると記載している。さらに、大統領への提言として、他国との協議の上で結果が得られなければ、追加関税を賦課すべきと報告した。関税案は(1)25%(完成車と特定の自動車部品が対象)、(2)35%〔完成車のうち、多目的スポーツ車(SUV)・クロスオーバーSUV(CUV)のみ〕を示している。完成車(HS8703~8704項、SUV・CUVを含む)は76品目(HTSコード10桁)が対象で、自動車部品は電子機器・同部品(65品目)やエンジン・同部品(30品目)、変速機・同部品(12品目)を指定している。また、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)のサイドレターや、既に通商交渉を完了した韓国などへの国別割当制度に基づく除外措置も提言している。

報告書の公開を受けて、前出のトゥーミー議員は一見して予想どおりの内容と述べ、「追加関税の正当性は全く見受けられず、(報告書)作成者は恥ずかしさのあまり、白日にさらすことができなかった」と批判的な声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。トゥーミー議員は、トランプ政権下で行われた他の232条調査(ウラン、スポンジチタン、変圧器用部材、バナジウム)の報告書の公開を商務省に促している。

(藪恭兵)

(米国)

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