モルドバ議会前倒し選挙、サンドゥ大統領の支持基盤政党が勝利

(モルドバ)

ブカレスト発

2021年07月14日

モルドバで7月11日、議会(一院制、定数101議席)の任期満了前の前倒し選挙が実施され、親欧米派のマイア・サンドゥ大統領の支持基盤である政党「行動と連帯(PAS)」が得票率52.80%と過半数を得て勝利した。

これまでは、親ロシア派イゴル・ドドン前大統領主導の社会党・共産党連合(BECS)が議会で過半数を占めていたため、サンドゥ大統領が望む政治改革が進められなかった。サンドゥ大統領は2021年3月下旬、モルドバ憲法裁判所に対し、憲法の規定に基づく議会解散と前倒し選挙実施の審判を求め、憲法裁が4月15日にこれらを可能とする裁定を下していた(2021年5月6日記事参照)。

中央選挙管理委員会が7月12日に発表した開票暫定結果によると、PASの得票率が52.80%、BECSが27.17%、SOR党が5.74%と、PASが他の政党を大きく引き離して勝利した。得票率が5%未満だった他の政党は議席を得られなかった。

地元メディア(7月12日)によれば、投票総数は147万7,574人で、投票率は48.41%と、前回(2019年)投票率の50.57%を若干下回った。国外在住のモルドバ人のために設けられている150カ所の在外投票所での投票総数は21万2,145票、このうち144カ所の開票結果でPASの得票率が86.13%と多数を占めたこともPASの議席獲得に貢献した。

サンドゥ大統領は、7月12日のうちに勝利宣言を行った。

(ミンドル・ユニアナ、西澤成世)

(モルドバ)

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