9つの投資優遇セクターと投資地区分類を規定

(ラオス)

ビエンチャン発

2021年06月10日

ラオス計画投資省は5月14日付で「法人税および国土のリース・コンセッション費に係る投資優遇についての計画投資省大臣ガイドライン(No.0760/MPI)」(添付資料参照)を発布した。これまで2016年改正投資奨励法第9条では、最先端技術やクリーン農業など9つのセクターを奨励対象に定め、最大15年間の法人税と政府用地のリース・コンセッション費(注)の免除を付与(外資に関する奨励参照)してきたが、優遇対象となる業種や条件、投資地区分類、申請プロセスについては明文化しておらず、申請ごとに審査を受ける状態となっていた。今回のガイドラインでは、審査プロセスとして中央もしくは県の投資ワンストップサービス室が書類を受理した後に、投資奨励管理委員会に諮って合意を得ることで、免税期間を明記した投資奨励証の発行を受けると整理した(同ガイドライン第2.4項)。

また、ガイドライン付属書1(添付資料参照)で、9つのセクターおよび108つの投資奨励事業とその必須要件を定めた。優遇事業としては、製造業では電子部品、蓄電池、ベアリング、汎用機器、各種製造業機械の生産などに加えて、太陽光パネル製造や、太陽光・風力・バイオ燃料・水素など代替エネルギー開発、電気自動車生産などの環境関連産業を挙げた。また、GAP(農業生産工程管理)や有機による農業や畜産、食品加工業を推進するとした。教育や医療分野では、就学前教育から職業訓練、スポーツや文化教育、専門病院など幅広い事業が対象となった。

付属書2(添付資料参照)では、免除期間を規定する投資地区(第1地区、第2地区、第3地区)を全国の郡別に分類したが、最も優遇が付与される第1地区(貧困地域、遠隔地、投資における社会経済インフラの利便性が低い地域)は148市・郡のうち23郡のみだった。投資奨励法で第3地区に分類する経済特区(SEZ)の入居企業については、基本的にガイドラインの対象外で、各経済特区の個別の規定に従うことになる。

画像 地図:投資地区(第1地区:緑色、第2地区:黄色)。第1地区に分類される1〜23の郡名については添付資料の付属書2参照(ジェトロ作成)

地図:投資地区(第1地区:緑色、第2地区:黄色)。第1地区に分類される1〜23の郡名については添付資料の付属書2参照(ジェトロ作成)

(注)リース・コンセッションとは、政府の開発権を取得する行為を指す。

(添付資料)以下のとおり。

  • 法人税および国土のリース・コンセッション費に係る投資優遇についての計画投資省大臣ガイドライン(No.0760/MPI)ジェトロ訳(一部のみ)
  • 付属書1:9セクターの投資奨励事業とその必須要件
  • 付属書2:投資地区

(山田健一郎)

(ラオス)

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