マハーラーシュトラ州、大幅な活動制限緩和を通達
(インド)
ムンバイ発
2021年06月10日
インド西部マハーラーシュトラ(MH)州は6月4日、新型コロナウイルスの感染減少傾向を受けて、活動制限措置の緩和策を通達した。5月30日に発出した緩和措置(2021年6月1日記事参照)と同様に、検査陽性率や酸素供給が可能なベッド(以下、酸素ベッド)の使用率に基づいて行政区分ごとの緩和措置を決定する。必需(essential)業種でない小売店舗や飲食店、ショッピング・モール、民間事業所などの営業再開も含む大幅な緩和となっている。
今回の緩和措置では、各自治体が陽性率と酸素ベッド使用率に基づき、レベル1からレベル5に分類し(添付資料表1参照)、それぞれに緩和措置を設定している(添付資料表2参照)。
要件を構成する数値については、州政府が毎週木曜日に発表することとなっている。これまでの一方的な緩和と異なり、活動制限が緩和されることもあれば、厳格化されることもあり得る。また、今回の通達は必需業種や例外業種をより詳細に指定している。一方で、車両移動時には警察署が発行する通行証(E pass)の保持を引き続き要請するなど、無秩序な移動については制限を続ける構えだ。
今回の通達で最も大きな変更点であり、日系企業に大きな影響を与えると考えられる措置が、民間事業所への出勤規制緩和だろう。2020年のインド全土ロックダウン以降、MH州内の民間事業所への出勤上限は30%に、さらに、4月5日からは出勤が原則認められなくなっていた。しかし、今回の緩和は通常出勤への復帰の道のりをようやく数値目標で示したかたちだ。これに加え、小売店など非製造業の営業再開は需要回復につながり、製造業の回復にも大きく寄与することが予想される。
なお、今回のレベル分けでは6月6日現在、ムンバイ市がレベル3、衛星都市のナビ・ムンバイ市がレベル2、プネ市はレベル3となっている(「タイムズ・オブ・インディア」紙6月6日)。ムンバイ市内ではレストランが早速、昼間の営業を再開した。結果的に人出は確実に増加しているように見受けられる。レベル2に指定されたナビ・ムンバイでは、ショッピング・モールの再開が認められたため、モールに入居するバンダイナムコが運営するゲームセンターも約2カ月ぶりに営業を再開する。
(比佐建二郎)
(インド)
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