マハーラーシュトラ州、新型コロナ感染・医療状況により活動規制緩和へ

(インド)

ムンバイ発

2021年06月01日

インド西部マハーラーシュトラ州は5月30日、新型コロナウイルス感染対策で現在講じている活動規制の期限を5月末から6月15日午前7時まで延長するとともに、感染状況などが一定の条件を満たし場合には、規制緩和を認める通達外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発出した。活動規制と緩和の運用については今後、州全体ではなく各自治体単位の運用となる。

緩和条件は、新型コロナウイルス検査の陽性率と酸素供給が可能なベッド(以下、酸素ベッド)の使用率だ。必需(essential)または非必需(non-essential)の業種・品目の区分は5月12日付通達に準拠している(2021年5月19日記事参照)。

本通達の主な内容は以下のとおり。

陽性率が10%を下回り、かつ酸素ベッドの使用率が40%未満となった場合、以下のような緩和が認められる(一部抜粋)。

  • 必需店舗の営業時間を午前7時から午後2時までに延長(従前は午前7時から午前11時まで)
  • 非必需店舗(ショッピングモール内を除く)に関しては、当局が許可した場合、月曜日から金曜日までの営業を認める
  • Eコマースを通じた非必需品の配達販売を認める
  • 公共セクターについては、一部を除き上限25%の出勤を認める

陽性率が20%を上回るか、あるいは酸素ベッドの使用率が75%上回った場合、次の規制を課す(一部抜粋)。

  • 当該地域の境界が封鎖され、特別に許可された場合を除き、人の出入りを認めない

2020年に実施した段階的規制緩和とは異なり、今回は緩和の条件として陽性率や酸素ベッドの使用率といった定量的な指数を採用している。例えばムンバイ市の場合、特設ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの数値によると、5月30日の陽性率は11.27%、酸素ベッドの使用率は30.46%で、活動規制緩和の基準には達していない。しかし、ムンバイ市の陽性率は3月初旬の25%超をピークに減少し続けており、近いうちに緩和基準を満たすことも予想される(参考値として、東京都は5月30日時点で、過去7日間の陽性率は5.3%と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ムンバイ市内では、感染状況の改善とともに、多くの人出が見られ、夜間外出禁止開始時間の午後8時以降も出歩く人が多く目につくようになった。活動規制を緩和・解除させるための条件が具体的に設定された今こそ、活動自粛の徹底が求められる。

(比佐建二郎)

(インド)

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