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連邦政府、グリーン水素のドイツ国外での製造・輸入を推進

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年06月23日

ドイツ経済・エネルギー省は6月14日、グリーン水素(注)のドイツ国外での生産とドイツへの輸入を推し進めるための「H2グローバル」プロジェクトに、総額約9億ユーロの予算を拠出すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、同プロジェクトを実施する「H2グローバル財団(H2Global Stiftung)」が同日、設立されたことを発表した。

同財団の設立メンバーは16社。水素を製造する水電解装置などを扱うリンデやMANエナジー・ソリューションズ、鉄鋼のティッセンクルップやザルツギッター、エネルギー大手のシーメンス・エナジーやユニパー、金融からドイツ銀行などが参加する。参加は自由で、経済・エネルギー省によると、近く約70社にまで増えるとしている。ドイツ国際協力公社(GIZ)とドイツ水素・燃料電池協会(DWV)が事務を務める。

今回のプロジェクトは、連邦政府が2020年6月に採択した「国家水素戦略」(2020年9月9日付地域・分析レポート参照)に沿ったもの。同戦略では、将来のグリーン水素の需要を国内生産では全て賄えないとし、アフリカなど、太陽光や風力によるグリーン水素生産に適した地域と提携し、水素を輸入するとしている。また、連邦政府が2020年6月に発表した景気刺激策「未来パッケージ」(2020年6月10日記事参照)でも、地理的に水素を効率的に生産できる国と協力し、ドイツの技術を活用して水素製造などの設備を構築、製造した水素をドイツに輸入し国内需要を賄うとしている。

同財団は、ドイツ国外で製造されたグリーン水素、または水素から派生した資産または契約(デリバティブ)を長期契約で購入し、ドイツ国内では1年間の短期契約で再販する。長期契約を締結することで、企業が海外における水素製造関連投資をしやすくなる。経済・エネルギー省が拠出する総額約9億ユーロは購入価格と再販価格の差に補填(ほてん)される。特徴の1つは「二重入札モデル」と呼ばれるもので、購入契約ではもっとも安価な価格を提示した者、再販契約ではもっとも高い価格を提示した者と契約する。これにより、補填が必要になる価格差を可能な限り抑える。

経済・エネルギー省は、今回のプロジェクトによって2021年中に約500メガワットの水電解装置への投資が見込まれ、設備への民間企業の投資額は約15億ユーロに上るとする。入札は2021年に開始され、海外で製造したグリーン水素の実際のドイツへの輸入は2024年から始まる予定だ。

(注)再生可能エネルギー由来の電力を利用して、水を電気分解して生成される水素。製造過程で二酸化炭素を排出しない。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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