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重慶市で中国・ASEAN外相会議開催、防疫協力や南シナ海めぐる協議加速で認識を共有

(中国)

成都発

2021年06月14日

中国・重慶市で6月7日から8日にかけて、中国とASEANの対話関係樹立30周年を記念する特別外相会議と瀾滄江-メコン開発協力に関する外相会議が開催された。中国の王毅外相は、過去30年の中国とASEANとの関係を振り返り、この間、両地域間の貿易額が80億ドル足らずから6,846億ドルに拡大したこと、2度にわたる金融危機、インド洋での津波、SARS(重症急性呼吸器症候群)などの危機を共に乗り越えてきたことに言及。新型コロナウイルスの感染拡大に対しても、中国はASEANに対し医療物資や技術的支援、1億回分に及ぶワクチンを供給したとして、両地域の緊密な関係を強調した。

王外相は、今後もワクチン供給の協力や「新型コロナ禍」からの経済回復に向けてデジタル経済の協力拡大を図るとともに、低炭素経済への転換、環境保全、貧困対策、防災・減災などについても連携していく考えを表明した。さらに、南シナ海をめぐる問題については、外相会議の期間中に重慶で「南シナ海における関係国の行動宣言(DOC)」の実施に関する高級事務レベル会合が開催されたことを引き合いに、新型コロナウイルスの影響で停滞していた「南シナ海における行動規範(COC)」の策定に向けた協議を再開し、早期妥結を目指すと述べた。

瀾滄江-メコン開発協力に関する外相会議では、中国とメコン川流域5カ国(ミャンマー、ラオス、カンボジア、タイ、ベトナム)が連携し、中国が推進するASAEN向けの新たな輸送ルート「陸海新ルート」(2021年5月25日記事参照)の活用による貿易の円滑化や、水資源の活用、河川のモニタリング、生態環境の保全、洪水や干ばつなどの災害への対応を行っていくなどの方向性が示された。

中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の許利平研究員は「今回の会議は中国とASEANの30年間を総括するとともに、将来の関係性を展望するもの」とし、次のステップとして「双方の関係が包括的戦略パートナーシップに格上げされるかが注目される」とコメントした(「上観新聞」6月7日)。また、広東外語外貿大学国際関係学院院長の周方銀教授は、ASEANをめぐる米国との関係について、「ASEAN諸国は中国と米国がこの地域でゼロサムゲームを行うことを懸念している」と述べる一方、中国としては「既定の計画に沿ってASEANとの協力を強化してくべき。米国の要因はあまり心配する必要はないが、マイナスの影響に対処する準備も必要だ」ともコメントした(同上)。

(田中一誠)

(中国)

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