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輸出増やした事業者向けに特別な外貨取得枠を設定

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年06月14日

アルゼンチン中央銀行は、輸出額を前年比で増やした輸出事業者に外貨を特別に割り当てる新たな制度を導入した。6月14日から新制度の運用を開始する。

同国では現在、外貨流出を防ぐために厳しい資本取引規制を導入しており、海外への送金が難しい状況が続いている。そのため、政府は対内直接投資と輸出を増やし、外貨の流入を増やすべく、4月に投資促進の新制度を導入した(2021年4月15日記事参照)。今回の中銀の措置はその流れの中で導入されたものだ。

この制度は、2020年度に比べて輸出額を増やした輸出事業者が中銀の事前承認を得ることなく、財・サービスの輸入代金の支払いや、国外への債務の返済、利益・配当金の送金のための外貨を取得できるというものだ。制度の詳細は6月4日付の中銀通達A7301PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で規定している。

制度の適用を受けるには一定の条件を満たす必要がある。まず、輸出事業者は輸出額が増えたことを証明するため、取引金融機関が発行する「2021年度商品輸出増加証明書」を取得しなければならない。政府は貿易取引に係る為替取引を市中金融機関を通じてモニタリングしているため、「SECOEXPO」と呼ばれる追跡システムに登録した輸出取引のみが輸出額のカウント対象となる。

さらに、輸出事業者は、輸出増加分が自社の新たな商業活動によって創出したものであり、第三者が行っていた輸出を自社に移し替えたものではないことの宣誓書や、物価抑制を目的に政府が業界団体と結ぶ価格協定の締結を拒否していないこと、協定を順守していることの宣誓書を取引金融機関に提出する必要がある。

輸出品目によって取得できる外貨の上限が異なり、輸出代金の入金から30営業日以内に為替市場で通貨ペソに両替(清算)しなければならない鉱石の場合は輸出増加額の5%、60営業日以内の清算が必要な鉱物性燃料の場合は輸出増加額の10%、180営業日または365日以内の清算が必要なその他の品目の場合は輸出増加額の15%が上限となる。ただし、取得できる外貨の総額は、2020年度の輸出額の30%を超えることはできない。穀物はこの制度の適用対象外となっている。輸出事業者にとっては外貨取得の可能性が高まる点で朗報と言えるだろう。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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