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OECD、2021年の世界経済成長率見通し引き上げるも、回復力は不均一

(世界)

国際経済課

2021年06月01日

OECDは5月31日、「エコノミックアウトルック(経済見通し)」〔プレスリリース(英語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます日本語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)〕を発表した。2021年の世界の経済成長率(実質GDP伸び率)を5.8%、2022年を4.4%とした。2021年3月発表の中間見通しから、2021年を0.2ポイント、2022年を0.4ポイント、それぞれ上方修正した(2021年3月10日記事参照、注)。

2021年の経済成長率見通しを主要国・地域別にみると、米国を6.5%から6.9%に、ユーロ圏を3.9%から4.3%に、中国を7.8%から8.5%に引き上げた。米国については、財政支援が経済成長を押し上げていることや、市場の信頼感や雇用情勢が改善しているためとした。また、段階的な経済再開と比較的ペースの速い新型コロナウイルスワクチン接種にも言及した。2021年第1四半期(1~3月)の経済成長率が悪化したユーロ圏についても、ワクチン接種が加速し、厳格な封じ込め措置が徐々に解除され、2021年に経済活動が活発化すると見通している。中国については、輸出の伸びが好調な点などを評価した。

OECDは「ワクチン接種が進むにつれて、世界的な回復は強まる」としながら、「見通しの主な構成要素は、国によってそのバランスが異なる」と指摘。例えば、先進国では2021年秋までに効果的なワクチン接種が完了し、接触型の活動制限が縮小することが見込まれる一方で、一部の例外を除く多くの新興国で、ワクチン接種の早期完了の見通しが立たないことなどに言及した。

また、OECDは上記の見通しの主な不確実な事象として、(a)疫学的な見通しとワクチン接種のペース、(b)2020年に蓄積された貯蓄が消費される程度、(c)政府の支援が縮小された場合の企業の健全性、(d)多くの新興・途上国に存在する脆弱(ぜいじゃく)性を挙げた。

ワクチン接種のペースと新型コロナウイルスの感染状況については、大きな不確実性が残っているとし、上振れ、下振れシナリオとともに、それぞれの場合の経済成長率を試算した。上振れのシナリオでは、世界中で効果的なワクチン接種が急速に進むとともに、ウイルス抑制の効果的な取り組みが活動封じ込め措置の緩和ペースを速め、消費者と企業の景況感と支出をより強力に押し上げる。その場合、世界の経済成長率は、2021年が6.5%、2022年は5.8%と試算した。他方で、ワクチンの生産と接種のスピードがウイルスの伝染の抑止に追いつかない場合、もしくは新規・改良ワクチンを必要とするより感染力の高い変異ウイルスの出現を防止するのに十分でない場合、下振れシナリオとして、世界の経済成長率は、2021年は5.1%、2022年は3.0%にとどまる可能性を指摘した。

(注)2021年3月発表の中間見通しとの比較は、小数点第1位までの値の比較。

(朝倉啓介)

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