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米USTR、自動車部品工場での労働権侵害の疑いでメキシコ政府に事実確認要請

(米国、メキシコ)

ニューヨーク発

2021年06月11日

米国通商代表部(USTR)は6月9日、メキシコ北東部タマウリパス州のマタモロス市にある自動車部品メーカー、トリドネックス(Tridonex)の工場で労働権侵害の疑いがあるとして、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が定める「事業所特定の迅速な労働問題対応メカニズム(RRLM)」に基づき、メキシコ政府に事実確認を要請したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

本件は、北米最大規模の労組の米国労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)ほか、米国、メキシコ、カナダの複数の労組が5月10日に発表した提訴(2021年5月12日記事参照)を受けた動きとなる。RRLMは、労働者の結社の自由と団体交渉権に関する権利侵害について、特定事業所を対象として迅速に紛争を解決するために設けられたメカニズムとなる。USMCAのルールに基づくと、事実確認の要請を受けたメキシコ政府は10日以内に独自調査を行うか否かを返答しなければならず、独自調査を行う場合には45日以内に労働権侵害状況の改善を試みる必要がある。

USTRは5月にもRRLMを利用した初の案件として、メキシコのグアナファト州シラオ市にあるゼネラルモーターズ(GM)の工場での労働権侵害の疑いを理由に、メキシコ政府に事実確認の要請を行っている(2021年5月13日記事参照)。さらに同月下旬には、RRLMではないが、カナダ政府による乳製品輸入における関税割当制度(TRQ)の運用がUSMCA違反だとして、紛争解決パネルの設置を要請しており(2021年5月27日記事参照)、「労働者中心の通商政策」を掲げるバイデン政権になってから、USMCAの積極的な活用が目立つ。

キャサリン・タイUSTR代表は今回の行動について、「USMCAにおける高い労働基準を執行することは、バイデン・ハリス政権の労働者中心の通商政策の中核的な柱だ」と強調した。同時に声明を出したマーティ・ウォルシュ労働長官も「USMCAの労働執行メカニズムを使うことは、米国とメキシコの労働者が貿易の利益を共有するための重要な一歩だ。本件を解決すべくメキシコ政府と緊密に連携していきたい」と語った。今回の提訴を主導したAFL-CIOは「本日の(USTRの)発表は、より労働者中心の通商モデルを形成するための重要な一歩だ」とUSTRを評価する声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを出している。

(磯部真一)

(米国、メキシコ)

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