チリの知事選決選投票、中道左派が大勝

(チリ)

サンティアゴ発

2021年06月16日

チリでは、バルパライソ、アイセン、マガジャネスの3州を除く13州において6月13日、知事選挙の決選投票が行われた。有権者1,304万819人のうち、投票したのは2割未満の255万8,962人(開票率100%)で、2012年に任意投票制に移行して以来最低の投票率となった。

投票結果は、中道左派連合(Unidad Constituyente)の圧勝で、同連合に所属する候補者11人中8人が当選を果たした。一方、現与党の中道右派連合(Chile Vamos)は、9人の候補者のうち、当選者はわずか1人という大敗を喫した。これにより、決選投票に進まずに知事が決定した3州を含む全16州のうち、中道左派連合所属の知事が勝利したのは首都圏州を含む10州、中道右派連合は1州、グリーン環境党(Partido Ecologista Verde de Chile)と無所属からなる連合が1州、左派連合(Frente Amplio)と無所属がそれぞれ2州ずつ、という結果になった。

今回の選挙結果は、既に行われた制憲議会議員選挙(2021年5月19日記事参照)や区長選挙の結果と同様、チリの現政権を担う中道右派連合にとっては厳しい結果となり、11月に控える大統領、上院、下院選挙においても同連合の苦戦が予想される。

義務投票制の導入法案が下院を通過

選挙に関連して、2020年1月に野党の下院議員らによって提出された、現状の任意投票制から義務投票制への移行法案が6月15日、下院で可決された(予備選挙や在外選挙については適用されない)。チリは2012年に改憲されるまで、義務投票による選挙が行われていた。

(岡戸美澪)

(チリ)

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