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バイデン米大統領、TikTokなど利用禁止を撤回、商務長官に新たな対策検討指示

(米国、中国)

ニューヨーク発

2021年06月15日

ジョー・バイデン米国大統領は6月9日、動画共有アプリTikTokを含む中国製アプリの米国内での利用を禁止するトランプ前政権の措置を撤回するとともに、外国の敵対者から米国民の機微情報を保護する対策の検討を商務長官などに指示する大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに署名した。商務長官は今後、検討結果の報告や必要な行政・法的措置の提言を行う。

今回の大統領令により、トランプ前政権によるTikTokとWeChatの利用を禁止する大統領令(2020年8月7日記事参照)や電子決済サービス「アリペイ」など8つの中国製アプリを制限する大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとそれらに関連する規則が無効となる。TikTokとWeChatの利用禁止については、米連邦地裁が憲法上の表現の自由などを害するとして一時差し止め命令を出し、商務省もそれに従うかたちで関連規則の施行を停止していた(2020年11月16日記事参照)。TikTokについては、トランプ前大統領が米国事業の売却を指示し、政府・企業間の調整が続いていたが、政府関係者によると、今回の大統領令は売却命令には影響せず、引き続き対米外国投資委員会(CFIUS)の審査対象となるという(「ワシントン・ポスト」紙電子版6月9日)。

バイデン大統領は今後の対応として、商務長官に対して120日以内に、米国民の機微情報(個人情報、健康・遺伝情報)の無制限の販売・移転・アクセスや、外国の敵対者に関係する個人・事業体による大容量データレポジトリへのアクセスが及ぼすリスクからの保護に関する勧告を行うよう指示している。勧告の検討に当たっては、国家情報長官や国土安全保障長官がリスクに関する脆弱性評価などの支援を行う。また、商務長官は180日以内に、外国の敵対者が設計・開発・製造・提供などするアプリに関連するリスク対応のために必要な行政・法的措置を勧告するとともに、3月22日に施行した情報通信技術サプライチェーン保護規則(2021年1月22日記事参照)に基づき、外国製アプリが関係する進行中の取引に対する調査や適切な対策を行うよう指示を受けている。

ジョシュ・ホーリー上院議員(共和党、ミズーリ州)は、大統領令を「大きな過ち」と批判し、中国による米国民の個人情報へのアクセスや中国企業の影響に対する政権の中途半端な対応での自己満足と揶揄(やゆ)している。一方、保守系シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)で米中技術関係を専門とするエリック・セイヤーズ氏は「(バイデン)新政権が確実に、検討から行動の段階に移っている」として、今回の措置は重要と評価している(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版6月9日)。

(藪恭兵)

(米国、中国)

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