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欧州委と英アストラゼネカの訴訟に中間判決、EUのワクチン接種は比較的順調

(EU)

ブリュッセル発

2021年06月23日

欧州委員会は6月18日、ブリュッセルの第一審裁判所が、新型コロナウイルスワクチンを製造している英国のアストラゼネカに対して、9月27日までにEUへの合計5,000万回分のワクチン供給を命ずる中間判決を出したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。欧州委はアストラゼネカによる大幅な供給遅延(2021年3月22日記事参照)に対して、4月23日に提訴(2021年4月28日記事参照)していた。今回の発表によると、裁判所はアストラゼネカによる契約上の義務に対する深刻な違反を認定するとともに、供給命令が期日までに履行されない場合には、1回分につき10ユーロの違約金も課すとした。

一方、アストラゼネカも同日、中間判決を歓迎する声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表。それによると、裁判所は他国と締結した契約との関係で欧州委が優先供給権を持つとの欧州委の主張を認めず、既に提供済みの分を含め、9月末までに合計3億回分の供給を求めた欧州委の主張に対しても、ごく一部しか認めなかったとしている。アストラゼネカは命令対象となった供給分のうち、既に4,000万回分以上をEUに供給しており、残りも6月末までに供給予定としている。この判決をめぐって、現地メディアなどの評価も分かれており、9月後半にも予定される次回口頭弁論にも注目が集まりそうだ。

EU市民の79%がワクチン接種を希望

欧州委は6月17日、新型コロナワクチンに対する意識調査の結果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これは、15歳以上のEU市民(約2万6,000人)を対象に、5月21~26日にEUの全加盟国で実施したものだ。この調査によると、ワクチンを接種済み、あるいはできる限り早期に接種したいと答えた市民の割合は、EU平均で69%となり、2021年末までに接種したいと答えた市民を含めると、その割合は79%に達した。今回の結果は、18歳以上の成人人口の70%に対するワクチン接種を夏までに完了させ、復興基金を活用した経済の復興に軸足を移したい欧州委にとって(2021年6月18日記事参照)、期待できる数字となった。欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、6月22日時点でワクチンを1回以上接種した成人人口の割合はEU平均で55%と、比較的順調に推移している。ただし、ブルガリア、ルーマニアなど東欧諸国の一部でワクチン接種に遅れが出ており、今回の調査でも、接種済み、あるいはできる限り早期に接種したいと答えた市民の割合は、全ての東欧諸国でEU平均を下回った。

また、欧州委が加盟国とともに実施するワクチン政策の評価については「各加盟国のワクチン調達で、EUは重要な役割を果たしたか」という問いに、「同意」「やや同意」を合わせて70%の市民がEUのワクチン共同調達を支持した一方で、接種の実施については「満足」「やや満足」と答えた市民は、対EU、対加盟国政府でそれぞれ47%、46%と、ともに過半数を下回った。

(吉沼啓介)

(EU)

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